★西洋絵画のスーパーモデル ブログ「言葉美術館」 路子倶楽部
★西洋絵画のスーパーモデル:3「マリア」
2020/10/26
■どんなに年齢を重ねても失われないピュアな感覚。自分のなかの「マリア」に気づくとき■
新年、ということで、今回は清々しく、聖処女マリア。
マリアについては、誕生、少女時代、結婚、そして有名な「受胎告知」など様々なシーンがあるけれど、ここに紹介するのはムリーリョの描いた『無原罪の御宿り(むげんざいのおんやどり)』。
マリアが描かれている絵画のなかでは私がいちばん好きなものだ。
この絵をはじめて観たのは、スペインのマドリッドにある「プラド美術館」だった。
ゴヤを観る目的で訪れたプラドで、マリアを描いた一枚の絵にここまで心奪われるなんて、私は想像もしていなかった。なぜなら私、じつは宗教画が苦手なのだ。
だからそのときも、そのコーナーを足早に通りすぎようとしていた。が、一枚の絵の鮮やかな色彩(青があまりに美しかった)が目に飛びこんできて、私の足はぴたりと止まった。