▪️出版社ブルーモーメント4周年に想うこと
数日前、今日は4周年のケーキが届くから受け取ってね、と娘が言った。
9月1日は出版社ブルーモーメント設立の日。あれからもう4年が経ったのか、と想いがめぐる。ブルーモーメントから本を出すようになって、これまでにはない体験をたくさんしている。
ひとつは書店さんとの結びつきをつよく感じることができる、ということ。書店員さんのフレッシュな声を聞けるということ。これはほんとうに嬉しいことで、自分の本を求めてくれている人が、それを売りたいと思ってくれている人が、確実にいるんだ、ってことを感じられてこんなに励みになることはない。
また、これも娘の力によるところがほとんどなのだけれど、読書好きではない人にも届くようになったということ。私の本が初の読書体験、という人もいて、驚きながらも、大きな喜びがある。
ブルーモーメントから出した本で1冊だけ残せるとしたらどれを選ぶ? と娘が問う。全員かわいい子どもたちですから選べませんよ、と言ってすぐに『私を救った言葉たち』の名をあげる。売れるのかどうかとても不安だったけれど、売れている。嬉しい感想も届いている。苦しかったけれど書いてほんとうによかった。
今日お昼すぎ、出かける間際に娘が言った。
「オードリーとジャクリーン、増刷決定。オードリーはこれで10刷だよー」
ひとり出版社。小さな出版社。けれどすべての本たちが版を重ねている。
4年前のあの頃は、コロナ禍真最中で、中目黒のせまいマンションの部屋で出版社立ち上げのことを話し、それから2冊同時刊行に向けて原稿に手を入れ始めていた。そして12月に最初の本を刊行したのだった。記念日のことはもちろん書いた。
次はどんな本を出そうか。アイデアが降りてくるのを待とうよ。そうね。なんて話をしている。こんな時期もまた心たのしい。