ブログ「言葉美術館」

◆マリア・カラスが苦しくて

2016/06/21

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いま、マリア・カラスの人生に入りこみはじめていて、この歌姫(ディーヴァ)に同調しつつあり、なんだかたまらなくなっている。

ジャクリーン・ケネディを書いたとき、海運王のオナシスを共有した女性としてマリア・カラスの名をちらりと出した。
結局オナシスはジャクリーンと結婚するためにマリア・カラスと別れて、でもジャクリーンとうまくいかなくなってマリアのところに戻って、それからやがてオナシスが亡くなって、その2年後にマリアも亡くなる。53歳。
死因もマリリンみたいにいろいろ言われているけど、たぶん薬が原因。
歌姫としてはピアフを書いたばかりで、ピアフも孤独を恐れていて、でも、マリア・カラスの孤独は、なにか、もう絶望に近い孤独感で、孤独孤独と騒いでうるさがられている私でさえ、マリア・カラスの最晩年の孤独感には近づけない、それほどのものがある。
マリア・カラス100曲のCDを購入。毎日聴いている。
それにしても、どうしたことか不調な日々。
サガンが「一年ののち」のエピグレムに引用したシェイクスピア「マクベス」の一節を、自分に向かって唱える。
「そんなふうに考えはじめてはいけない。そんなことをしたら、気違いになってしまう」
ああ。だけど、「そんなふうに考えない」人生は生きている実感がない。

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