ブログ「言葉美術館」

■性愛の刺激物 「マジカル・ヘアー」 伊藤俊治■

2016/05/18

Ma世界のあらゆる地域でおこなわれている髪の維持と美化への深い配慮は、美しい髪が女性の容姿における美の理念と緊密に結びついていることを示すばかりではなく、髪が性愛の刺激物として重要な役割を演じてきたことを意味している」


そうか。だからウイッグがどんなに素敵であろうとも、「なんだ、ウイッグか」になってしまうのだろう。「ずる」みたいで。


髪については色々なところで色々なかたちで書いてきたけれど、大切な文献がこれ。ぼろぼろになってしまった。
パルコ出版、1987年。


見事に美しく凝ったデザインの本で、3605円でも高いと思わなかったことをよく覚えている。
こういう本には作り手の情熱が息づいていて、ページを繰っているだけで、エナジーが湧いてくる、そんな気になれる。

「いい時代だったんだよ、そのころは、出版業界も今とは違っていてね」

という問題とは、根本的なところで、きっと、違う。


さて、もともとそんなにない自信が、ますますなくなって、だから美容院へ。美容院が苦手な時代もあったけれど、中軽井沢のシエスタさんと出会ってから、行くのが楽しみなところとなった。


気心知れたひとに髪を美しく整えてもらうという一連の行為には、やさしい慰撫が流れて、今日はいい一日だった、と思えて、だから今日一日は成功。

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