ブログ「言葉美術館」

■「裸体の森へ」 伊藤俊治■

2016/05/18

410pmrjdp8lハイヒールがかかとを上げ、ヒップをもちあげ、バストや腰を前面におしだし女体にきらびやかな角度をつけた時に、ロングブーツが足首を伸びやかに固定した時に、ホブルスカートが脚をそろえぴったりとおし包んだ時に、黒いストッキングが脚のラインを強調し、実物以上にセクシーに見せた時に、シャッターは押された


都会の夜を歩いていたら、シャッター音を聞いた。
久々に肌がざわっとした。


帰宅して、リビングに置いたままになっていた本を手にとった。ソファに横になって、カバーを眺めた。

カバーに、冒頭の文章があった。好みの……つまり、図々しく言えばいかにも私が書きそうな文だったから同調して、ぞくりとした。


伊藤俊治さんの本は「シュルセクシュアリティ」にしても「マジカルヘアー」にしても、そして「裸体の森へ」にしても、私の重要なテキストとなっている。


なにかの小冊子なんかでも、なにげなく読んでいて、「あ。これ、もしかして」と著者名を見ると、伊藤俊治さんだったりする。いつかお会いしてお話しできたらなあ、と思うひとの一人なのです。

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