ブログ「言葉美術館」

◆51歳の誕生日「泣き女」で泣く女

 2017年5月2日、51歳の誕生日は、なんともやわらかな幸福感があった。私は、私自身がどこにいるときに満たされるのかを知った。物理的な場所ではなく、精神の居場所とでもいうべきところ。

 フリーダ・カーロが大好きだった「ラ・ジョローナ」(日本語にすると「泣き女」ってなるメキシコの大衆歌謡)を聴いて、これは悲恋ソングなのに、あたたかな涙が胸に広がるっていう、おかしな経験をしたこともここに残しておきたい。

 昨年は50歳という年だったから、たくさん騒いだ。誕生日の会を開いてもらったり、写真撮影をしたり、写真展を開催したり。

 51歳。今年は静かに過ごしたい。すべきことを見据えて、真剣に取り組みたい。

 そんなふうに思ったから、GWは原稿を書いて過ごそうと決めた。だって、原稿がちゃんと進んだときの充足感に勝る悦びって、そんなにないから。いまはフリーダ・カーロ。彼女の人生と向き合っている。いままでには見えなかったことが見えてくる。人生はきれいごとばかりじゃないよ。絶望って言葉、フリーダの絶望とは比べ物にはならないんだろうけど、それだって、6年前ならわからなかったことが今ではわかる。だから6年前のフリーダと今のフリーダは違う。それを書く。

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