■アナイス■「過剰なものを愛す」
2017/05/25
「1933年2月 わたしは恍惚だけを求めて生きたい。
少量ずつとか、中庸の愛とか、すべてほどほどといったものは私をつめたくしてしまう。
わたしは過剰なものが好きなのだ。
郵便配達の背中が痛むほど大量の手紙、表紙からはみ出すほどの本、温度計が破裂してしまうほどのセックス」
発表することを意識していなかったはずがないから、読まれることを充分に意識して書いていただろうけれど、それでものびやかに、ブレーキをかけることなく、生き生きと描いているようすが伝わってくる。
大好きなアナイスの本を読んでいたら、泣けてきた。
まったく。作品を発表するということは、そういうことがあるということだと知っていても、悪意のある情報をわざわざ届けられたりすると、一日がどんよりと重くなる。
私も、少しずつとか、ほどほどが嫌いだ。私も過剰なものが好きだ。そして、もうたくさん、と一度でいいから言ってみたい。
また雨が降り出した。風がなく、まっすぐに降っているそんな音が、暗闇のなかでしています。