ブログ「言葉美術館」

■2010年のはじまりは 「ポール・エリュアール詩集」■

2016/07/01

51ycyvfenul__sx230_「このわたしは 

 

あまりにもあなたの近くにいたので

 

他のひとたちの近くでは

寒いのだ」


元旦の朝、なぜか、エリュアールのこの詩がリフレイン。

覚えてはいないけれど、なにかそれに関する夢でも見たのだろうか。


エリュアールが愛するひとを失ったときにつくった「生きているわたしの死者」という、新年早々縁起でもない、と言うひともいるかもしれないタイトルの詩なのだけれど、私はこのフレーズは、ふたりの関係密度、そして喪失のかなしい実感を、しずかに表現していると思う。


そして永遠の喪失でなくても、逢えないときの恋心にも熱く寄り添う。だいすき。

というわけで。どうやら私の2010年はエリュアールで幕を開けたようです。文学的だわ……。と自分を鼓舞しつつ、仕事にとりかかります。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

みなさまにとって、美しいシーンの多い一年でありますように。

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