■■狂乱の時代のモンパルナスへゆきたい■■
2016/06/27
このところ歴史に目ざめている少女が問う。
「もしも、生きる場所と年代を選べるとしたらどこでいつ生きたい?」
私は即答する。
「1920年代のパリ、モンパルナス」
好みの答えではなかったようで再度質問。
「日本で、ほら、縄文時代とか、戦国時代とかあるでしょ」
「べつに、そういうところなら生きたくない」
「どれか選んでよ。」
「じゃあ平安時代。」
「理由は?」
「平安時代の美人の条件を調べてごらん。」
机の前の壁に貼ってあるポストカードのなかの一枚は、1925年のカフェを写したもの。
毎日見て、夢想する。
ピカソやドンゲンやコクトーやマン・レイやモディリアーニやパスキンたちと恋をして、キキと友達になって、創造と恋に身を捧げて生きる。
もっとも自分らしくいられる人とだけ話をして、嫌なことは嫌と言い、嫌いな人とは口をきかず、場合によっては人前で喧嘩もし、モノを所有せず、好きな人に薔薇色の刺激をたくさんあげたい。
小説なら、それが可能になる。
今朝は早朝の冷たい空気になきたくなるほどの美しさを見て、いま、お昼前の風に、大好きな秋の気配を感じている。
*写真はモンパルナスの女王、キキ。マン・レイが撮った奇跡の一枚。