ブログ「言葉美術館」

■■共著本の喜び■■

2016/06/28

Rレンズが撮らえた 19世紀ヨーロッパ ~貴重写真に見る激動と創造の時代」(山川出版社)。

あわただしく過ごしていた年末に届いた嬉しい一冊。共著で、私は

◆「狂乱の時代」前夜――モンマルトル・モンパルナスの芸術家たち

というテーマで書かせていただいた。

多くの専門家の方々がおいでになるなかで、私を思い浮かべてくれて、原稿依頼をしてくださる編集者がいる。ほんとうにありがたく嬉しい。

そして今回、特に嬉しかったのは、共著のひとりに岸本明子さんがいたことだ。彼女は◆華麗なるオペラの世界◆というテーマで執筆している。

岸本明子さんはフリーランスライターで、数少ない私の女友達のひとり。彼女と初めて会ったのは私が27歳だったかな。都内の私立高校の同僚としてだった。講師として私は世界史を彼女は倫理を教えていた。

岸本明子さんは私より五つ下で、美貌とカーヴィーなボディと頭の良さをあわせもち、語学堪能、療術師の腕ももち、その他たくさん「うそでしょ」と言いたくなるくらいの才能の持ち主。

近刊の『「妖精・天使」眠れないほど面白い事典』(三笠書房)はとても面白かった。『軽井沢夫人』でも彼女をモデルにちょこっと描かせてもらった。

あのころ、一冊の本に二人の名が「執筆者略歴」で載るなんて想像もできなかった。それで海野弘先生と同じ本に書けるなんて、ぜったい想像もできなかった。なんだか胸が熱くなる。

あのころ、必死で進むべき道を探していて『女神 ミューズ』として出版されたあの小説の、最初の何ページかを、読んでもらったこともあった。貴女は、私の文体が他の誰のものでもない、って言ってくれた、それがとても嬉しかった。もうあれから17年……。

年が明けて、ようやくゆっくりと共著本を読んでいる。

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