■■毬谷友子とたましいの静謐■■
2016/06/11
寺山修司の脚本、毬谷友子が主演。「くるみ割り人形」。
行かないわけにはいかないわ、と出かけてきた吉祥寺。
いくつもの表情をもつ毬谷友子の、今回は妖艶さがぐんと際立ってた、とっても私好みのお芝居だった。
途中、想い出しただけでも、いつもふるえちゃう「アコーディオン弾き」を、いつものピアノ弾き語りでなく、全身で歌っている彼女を見たとき、この数分だけでも価値がある、と両の手を握りしめた。
お芝居は出演者の方々のお芝居にかける熱が満ちていて、感動を誘った。
とっても面白かったけれど、たぶん、私にもっと知識があったならもっと楽しめるだろうな、あたりがちょっと悔しかった。
それでも寺山修司のファンとしては、セリフの一つ一つが、ただそれだけで愛しい。
一番前の席で舞台をほとんど凝視していた。
情熱をもつこと、そしてそれを表現するということ。
胸が熱くなった。
私も生が続く限り、それをしたい。とめずらしく決意めいた想いが胸に芽生えた。記念に髪の色を変えて、短く切った。
2012年のテーマは静謐。
もちろん、行動ではなく、精神の静謐。そこから言葉を生みだしたい。