■■『サガンという生き方』重版のお知らせに想う■■
2016/06/11
シャネルは現在12版、マリリンもすぐに重版。
覚悟のうえとはいえ、サガンのことはちょっとさびしく思っていた。
だから、昨夕、編集者さんからお電話いただいたときには、路上で大きな声をあげてしまったくらいに、嬉しかった。
もちろん、どの本も、それぞれに思い入れはある。
けれど、サガンは、私自身の文学への想いが、あんまり遠慮しないで、こめられている。
だから、友人知人、そして読者の方々から、『サガンという生き方』に対して、よいかんじの感想をもらうと、自分の存在意義を確認できたときみたいな充足感安堵感があった。
この本を貫いているのは、「知性」。
「序章 サガン哲学を知っていますか?」に目を通して、ああ、私はあのとき、ほんとうに「こういう人たち」に私のサガンを届けたかったんだなあ、としみじみした。
なので、以下、抜粋。
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「説教臭ゼロで、サガンはじつにエレガントにものごとの本質をつく。
そしてその類まれな文学的才能で人間の真実を、鋭く、繊細に、美しい言葉で描き出す。
その言葉には嘘がなく、人生についての根本的な問いかけがある。
サガン独特の生き方があらわれている。
それは「サガン哲学」と呼ぶべき水準のものだと私は思う。
そしてこの「サガン哲学」、ある種の人たちにとっては、とても心に響くと思う。
内面的に揺れ動いている人たち。
つねに自問している人たち。
この恋愛もいつかは終わる、と熱愛中にも客観視してしまう人たち。
偏見を嫌う人たち。
想像力の大切さを知っている人たち。
慣例に盲従する人を見ると苛つく人たち。
集団狂気(マス・ヒステリア)に用心している人たち。
陰影のある人たち。
そして、精神的に豊かな生き方をしたいと願っている人たち。
そういう人たちに、私はサガンを、「サガン哲学」を届けたい。
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ひとりでも多くの「そういう人たち」に、私のサガンが届きますように。