ブログ「言葉美術館」

■■曼荼羅の毬谷友子■■

2016/06/10

Imagesyvts37q4毬谷友子、南青山の曼荼羅でライヴ。

の情報を得た瞬間、なんてぴったりの場所なんだろう、と思った。

そして410日の夜を、こころから楽しみに、いろいろ苦しい時期だったけれど、410日には確実に、素敵な時間がある、と思ってなんとか息継ぎをしてきた。

なのになのに、その日、体調をがくんと崩してしまった。

夕方ぎりぎりまで横になっていた。行けるかな。

いや、行かないと。行かないと死んじゃう。だから行く。そんなかんじでよろよろとたどりついた曼荼羅。

毬谷友子のシャンソン、田ノ岡三郎の繊細なアコーディオンの音色とぴったりで、酔いしれた。

舘形比呂一とのからみ(いやらしい表現でごめんなさい、でも、ほんとにそんなかんじだったのです)も最高だった。

それで、今回は毬谷友子の、いままで気づかなかった魅力を発見した。

それは彼女の両性具有的な存在がかもしだす独特の妖気だった。

私が好きになるひとは、たいていは、女女女!ってかんじが多いから、意外だった。これは舘形比呂一とのからみがなければわからなかったと思う。

ほんとうに、妖艶でクレイジーな世界がそこにあった。

私は、しあわせだった。

トークのとき、ボランティアで美空ひばりの歌を歌ったりして、すごく自分に合っていると思った。今後はレパートリーに美空ひばりや、ちあきなおみを加えて……、と笑いながらおっしゃっていて、私は驚いた。

ちあきなおみ! 大好きなちあきなおみ。

毬谷友子の『夜へ急ぐ人』を聴きたい! ぜったいぴったりだと思う。

あの歌を歌えるひとは、日本で二人、ちあきなおみと毬谷友子。私、言いきっちゃう。

脆さと、それを封じ込める意志の力と、ありのままの自分を見せる潔さと、忘我の世界にいるかのように演じることができるひと、そして信じることの美しさを知っているひと。それが私にとっての毬谷友子。

-ブログ「言葉美術館」