ブログ「言葉美術館」

■「夜のパリ」、飢えてプレヴェール

2018/01/18

20130429

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「夜のパリ」

 

三本のマッチ  一本ずつ擦る 夜のなかで

はじめのはきみの顔を隈なく見るため

つぎのはきみの目をみるため

最後のはきみのくちびるを見るため

残りのくらやみは今のすべてを想い出すため

きみを抱きしめながら

***

 

 

 飢えてプレヴェール。

 好きな世界にはいりこむ。

 たぶん、そのまなざしがすごく好きなのだと思う。視線の動きというか、瞳の温度みたいなのが。

 その空間に積極的な音はない。BGMもいらない。吐息だとか、シーツのこすれる音だとか、咳払いだとか、外の車とかエアコンの音だとか、遠くに聞こえるサイレン。そういうのがいい。

 状況を設定できるなら、大雨の降る昼下がり。天気の良い日が続く休日の夕刻。ほかのことを何も考えずに、ただ、それだけでいい。そんなふうに思える瞬間。

 きっと。こんなことを夢見続けていくのだろうな。

 

 プレヴェールの夜のパリ。

 久しぶりにパリに出かけたのは、サガンをほぼ書きあげた直後の、ちょうど今頃だった。もう三年前。

 いまは、外国にそれほど惹かれない。ローマでカラヴァッジョの絵は観たいけれど。

 だからといって国内ですごく行きたいというところもない。


 いまの一番のよろこびは、週に一本のペースで仕上げる約束をしている物語ができたとき。
 できた! と思った次の瞬間から次の物語を作りはじめるのだけど、らくなことじゃないんだけど、それができたときがこんなにうれしいんだからやらないと。

 自分に言い聞かせ、これを書き終えたら原稿に戻る。

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