▽映画

▽女と男のいる舗道

2016/06/25

Image1_2 すてきな殿方から、
「この映画のアンナ・カリーナがかなり魅力的」と勧められて、観たゴダールの『女と男のいる舗道』。
ほんと、このアンナ・カリーナ、とってもいい。
『気狂いピエロ』でしか知らなかったけど、ピエロよりこっちのほうがずっと好き。
なんていうか、もちろん若さゆえの美しさもあるのだけれど、内面の美しさを、監督が描こうとしている、そういう、アンナ・カリーナに対する、尊敬愛情丁寧さが伝わってくるから。
なかでも11章の「シャトレ広場 見知らぬ人 ナナは知らぬ間に哲学を……」
がとってもよかった。
カフェで偶然出逢った哲学者と、アンナ・カリーナ演じるナナとの会話。
これ、きっと、台本とかなくて、ぜんぶ、そのときのそれぞれの会話、そのままなんじゃないかな。アドリブ。そんな気がする。
懸命に人生について知ろうとするアンナ・カリーナの表情、それに答える老哲学者の表情、目が離せない。
いっぱいセリフを書き留めた。
そのいくつかを。
――何か言おうとして、言う前によく考えているうちに、いざとなると、もう何も言えなくなってしまうの。
アンナ・カリーナのこの告白は、まさに、いまの私の状況そのものだったから驚いた。
これだけでも、観るべきときに観るべき映画だったんだ、と思う。
そして老哲学者の答え。
――人生を諦めたほうが、うまく話せるんだ。
――人間は揺れる。沈黙と言葉の間を。それが人生の運動そのものだ。
私は、いまは沈黙のときなのかもしれない。
それでもそれを含めて人生の運動というなら、少しだけ気が楽になる。
ゴダールのミューズ、アンナ・カリーナ。
私のミューズ・コレクションに新たに加わったひと。

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