◎親密すぎるうちあけ話◎
2016/10/18
パトリス・ルコントの最新作。日比谷シャンテ・シネにて鑑賞。途中、なんどか声をあげて笑った。ほっとした。表通りから外れた道を歩く人々が、それほど暗くなく描かれていたから。
妄想官能に満ちた物語。男と女がお互いに直接ふれあうことなく、なのに、匂うほど。
ヒロインのアンナ(サンドリーヌ・ボネール)が、時間を追うごとに美しくなってゆく姿に、やはり、ある種の人にとっては、自分ではない誰かに必要とされていると思えること、誰かに欲望されていると感じられることが、生きることそのものとなるのだ、と思う。
夫との間に性の悩みを抱えるヒロインが言う。「私が愛人をもてば、彼の欲望も甦るはず」。いまこの瞬間、同じセリフを口にしている女たちが何人いることだろう。終わることのないテーマ。