ゆかいな仲間たち よいこの映画時間

☆26本目『カトリーヌ・ドヌーヴ × ジャック・ドゥミ × ミシェル・ルグラン の世界』

2019/12/11


カトリーヌ・ドヌーヴ 、監督のジャック・ドゥミ 、音楽家のミシェル・ルグラン。この3人で作られた作品には、『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』『モン・パリ』があります。どの作品も色あいが違いましたね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうそう。違うテイスト。 りきちゃんはどれが好き?

私はミュージカルが好きなので、『ロシュフォールの恋人たち』ですね。前にも観たことがありましたし、音楽も好きです。同じミュージカルでも、『シェルブールの雨傘』は全編歌で構成されているので、慣れないとちょっとクセを感じてしまうかもしれませんね。そういった意味では、『ロシュフォールの恋人たち』は、ミュージカル初心者でも観やすいかも。
りきマルソー
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路子
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セリフが全て歌になっているのは、画期的な部分でもある。もちろん最初は慣れないと、ん?って思ってしまうけれど、慣れてくるとそれが当たり前に思えてくる。私は、突然歌い出すような「THE ミュージカル」が少し苦手で、『ロシュフォールの恋人たち』は、そういった部分を感じてしまうの。私は『シェルブールの雨傘』が大好き。この作品は台詞も全部歌だから、突然歌い出す!みたいなことは無いし、なによりも物語性があるから好きなの。


【『シェルブールの雨傘』 あらすじ】
フランスの街・シェルブールで母親と雨傘屋を営むジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と、自動車修理工場で働くギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)。
戦争で離れ離れになってしまう2人の悲恋を描いたミュージカル作品。


路子
路子
鬼武みゆきさんと2019年5月に開催した「語りとピアノのコンサート vol.1 生きた、愛した、愛された。 情熱恋愛5つの物語」や、黒川泰子さんと2016年12月に開催した「語りと歌のコンサート 映画音楽と物語」でも取り上げた『シェルブールの雨傘』。改めて、この作品の完成度を感じたの。 名作・代表作と言われているのも納得。ドヌーヴにとっても特別な作品みたいで、「自分の映画女優としてのキャリアをスタートさせた映画としても重要だ」と、話してる。監督・音楽・衣装・出演者が上手いタイミングで集結したら、こんなのができちゃった!っていう奇跡的な映画ね。鮮やかな衣装、部屋の装飾、色彩豊かな傘も印象的で、見る人を圧倒するような美しい組み合わせなの。

あの時代で、さらにミュージカルなのに、演技がとても自然なんですよね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうなのよ。唄わせる事によって、登場人物の心情が、より際立って見える。ギイの旅立ちを描いたシーンでは、ドヌーヴの頬が本当に紅潮していて、離れたら生きていけない、という気持ちが痛いほど伝わってくる。

路子
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ギイが兵役の為に旅立った後、ジュヌヴィエーヴは妊娠が発覚し、宝石商のローラン(マルク・ミシェル)と結婚する。その間、ギイとは手紙でやりとりをしていたけれど、 母親との暮らしを助ける為、そして生まれてくる子どもの為に、仕方なく結婚した。その状況の中で、妊娠している彼女を、そのまま受け入れるほどの包容力を持つローラン。凄いわよね。そんな彼が、私はとても好き。もっと評価されても良い人物なのに…。


路子
路子
6年後にガソリンスタンドで再会する場面は本当に名シーン。テーマ曲がこれでもか、というくらいに流れ、衒いなく場面を盛り上げるから、何度観ても泣いてしまうし、胸にグッとくる。お互いに一番好きな人と結婚した訳ではないけれど、「あなた幸せ?」というジュヌヴィエーヴの問いに対して、「とても幸せだよ」と答えるギイ。あれだけ愛し合い、「あなたなしでは私は生きていけない、あなたが行ったら死んでしまうわ」とまで言っていた間柄だったのに、環境の変化で最愛の人と結ばれなくても、ギイみたいに「とても幸せだよ」と言える人生。本当に愛した人とは結ばれず、時には違った道を選択しても、人は生きることができると思うと、とても切ない。

路子
路子
そして、生まれてくる子どもにつける予定だった「フランソワ」・「フランソワーズ」という名前を、お互い自分の子どもに名付けているの。それぞれの結婚相手に対してはたしかに裏切りに見えるけれど、同時に、どれだけ互いへの想いが強いものか、という事を考えさせる。

ジュヌヴィエーヴの表情からは、幸せな雰囲気を感じなかったのですが、ギイからは、なんとなく、幸せさを感じました。その対比が、とても哀しい。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
自分の生活に満足して、本当に自分が幸せだと思っているならば、「あなた幸せ?」とは聞かないような気がする。だから、りきちゃんが言うように、彼女は幸せとは感じていないのではないかしら。彼は現実に適応しているし、「とても幸せだよ」という答えに嘘は無いと思う。ただ、幸せの種類は違うけどね…っていうのが、カッコ付きであるのかもしれない。だから余計に切ない。


ギイの「もう行った方がいいよ」という言葉は、これ以上一緒にいると、今の幸せが揺らいでしまう可能性があったからかもしれませんね。
りきマルソー
りきマルソー


【『ロシュフォールの恋人たち』あらすじ】
バレリーナのデルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と音楽家のソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)は、海辺の街・ロシュフォールに住む双子の姉妹。
数日後に開催されるお祭りの準備をする一方、将来はパリで成功し、素敵な人と巡り合いたいと夢を抱いている。作曲家ミシェル・ルグランの軽快なサウンドが印象的なミュージカル。

『ロシュフォールの恋人たち』は、作中の音楽に繰り返しのフレーズもあるので、中毒性を感じます。すぐに覚えちゃうし、それがずっと耳に残りますね。だから今でもCMで楽曲が使われたりするんだと思います。私は踊るのも好きなので、覚えて一緒に踊ったりもしました。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうなの?? 「双子姉妹の歌」とか?

そうですね。あと、お祭りシーンでの姉妹の歌のとか。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
ピンク・レディーの振り付けを覚えちゃう感覚かしら?

その通りです(笑)。そういえば、ダニエル・ダリューも共演者だったんですね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
えっ? どの人??

姉妹のお母さん。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
ダニエル・ダリューだったの?? 姉妹と同じくらいフォーカスされていたから、この人は誰だろう?って思っていたの。全然気付かなかった!

だからオゾン監督の『8人の女たち』では、久々の共演って事だったんですね。よく見てみると…。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
ああ、たしかに!

ああ、たしかに!
りきマルソー
りきマルソー

ってなりますよね。
りきマルソー
りきマルソー


内容の深さというよりは、「娯楽」として純粋に楽しめる作品ですね。この作品はドヌーヴにとって、フランソワーズ・ドルレアックとの思い出として、心に残っているみたいですね。ドヌーヴのインタビューなどを読むと、フランソワーズが亡くなってからの方が、映画に対しての思い入れが強くなってるような気がします。
りきマルソー
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路子
路子
お姉さんとの思い出の作品ということね。個人的に、フランソワーズは綺麗というよりは…。

味のある感じですね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうそう。好みもあるけれど、私は断然ドヌーヴの方が綺麗に見える。その当時、フランスで最も美しい姉妹として讃えられていたから、姉妹で演技や美しさを比べられていたと思うと、酷な状況よね。

私は、フランソワーズの顔、好きですけどね(笑)。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうだと思った(笑)。

歳を取った時、きっと良い女優になったんだろうな、って思いました。これからを期待されていたと思うので、25歳という若さで事故死してしまったのは、とても残念です。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
2人が少女時代だった頃、フランソワーズばかり周りから綺麗だって言われていて、父親もフランソワーズばかりを大事にしていたんですって。ティーンエイジャーぐらいの時から、ドヌーヴが段々と綺麗だって言われるようになってきて、人気も上がった。先に女優として活動を始めたフランソワーズは、妹の人気が自分を追い越していくのを目の当たりにして、嫉妬心もあったと思う。そういう中で作られた作品だから…。

ぎこちなさ?
りきマルソー
りきマルソー

路子
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そう、ぎこちなさを感じる。もちろん、練習が足りないとか、そういった部分はあるかもしれないけれど、少なからず、彼女たちの関係性は反映されていると思う。


【『ロバと王女』あらすじ】
宝石を生みだすロバによって、裕福な暮らしをしている王様(ジャン・マレー)。妻亡き後、遺言に従い見つけた再婚相手は、自分の娘である王女様(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
王女様はリラの妖精(デルフィーヌ・セイリグ)に助けを求め、「ロバの皮」になりすまし、森の奥にある小屋で隠れて生活を始めるのでした。
『シンデレラ』や『眠れる森の美女』で有名なシャルル・ペロー作の童話『ロバの皮』が原作。


『ロバと王女』はドヌーヴがとても綺麗だからと、昔、母が勧めてくれた作品でしたが、初めて観ました。ドヌーヴはこの作品について、「老若男女に愛されている作品だ」と話していますね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
おとぎ話だから、話に入り込むというよりは、衣装を楽しんだりする映画ね!

ジャン・マレーのキャスティング、実際の俳優が城の石像を演じている場面、スローモーションやリバースモーションといった撮影技法の使用などは、ジャン・コクトーの映画『美女と野獣』にちなんだ要素で、コクトーへのオマージュなんですって!
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
たしかに、コクトーの映画で、人間が演じてる石像って観たことがあるかも。


お妃様が「私より美しい女性と再婚してください」という遺言を残して亡くなった為、再婚相手に美しい女性を探す王様。でも自分の娘である王女が一番美しかったから、娘との結婚を望んだ、というのが冒頭のお話でしたが。王女はなんだかんだ「お父さんと結婚してもいいわ」なんて言ったりしてましたね。監督いわく、子どもが「私、パパと結婚する!」みたいに言う感覚なんですって。それにしては、ちょっと歳が離れすぎてはいないか?…って思ったのですが。幼少期ならありそうな話ですがね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
私は、近親相姦の話だと思った。 童話なのに最初からそういうものを扱っていたから、毒々しいものがもっと出てくるのかな?って思っていたの。

でも、そうでもなく、よくあるおとぎ話な感じで進んでいきましたね。この王女って、なんてしたたかなんだろうって、思いました。それが特に表れているのは、城を出た後に住み始めた小屋のシーンで、国の王子が小屋の中を覗く場面です。覗かれているのに気付いている王女が、鏡越しに王子を捉えている時のドヌーヴの顔が凄い。あんたの事を狙っていますよ、みたいな目つきが全面に出ていて、凄く良かったです。
りきマルソー
りきマルソー


【『モン・パリ』あらすじ】
体調不良のマルコ(マルチェロ・マストロヤンニ)に病院へ行くようにと、泣きつくイレーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
そして発覚したマルコの妊娠に、フランス中が大騒ぎ。
「男性の妊娠」をテーマに繰り広げられるコメディ作品。


『モン・パリ』は当時パートナーだったマルチェロ・マストロヤンニと共演している作品。これ以前にも、『哀しみの終わるとき』(1971年)や『ひきしお』(1972年)で共演しているんですね。マストロヤンニって、ソフィア・ローレン主演の『ひまわり』に出演していましたよね?
りきマルソー
りきマルソー

路子
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そうそう。

『ひまわり』のコメディタッチ部分を思い出しました。
りきマルソー
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路子
路子
私は、マストロヤンニが好きで、いくつか出演している作品を観ているけれど、コメディ映画の出演が多いのよね!


ミュージカルでも無いんですね! 大々的にミシェル・ルグランの名前が出ているので、てっきりミュージカルだと思っていました。原題を訳すと「人類が月面を歩いて以来の最も重大な出来事」というタイトルみたいですが。
りきマルソー
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路子
路子
それってどういう事?

男が妊娠する、という事が、それほどびっくりするよな出来事だ、ということですかね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
うーん。内容は…もう少しひねりのある話だったら良かった、というのが正直な意見。




~今回の映画~
『シェルブールの雨傘』 1964年2月 フランス
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ニーノ・カステルヌオーヴォ/マルク・ミシェル/エレン・ファルナー/アンヌ・ヴェルノン

『ロシュフォールの恋人たち』 1967年3月 フランス
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/フランソワーズ・ドルレアック/ジーン・ケリー/ジョージ・チャキリス/ダニエル・ダリュー

『ロバと王女』 1970年12月 フランス
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジャン・マレー/ジャック・ペラン/デルフィーヌ・セイリグ/ミシュリーヌ・プレール

『モン・パリ』 1973年9月 フランス
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/マルチェロ・マストロヤンニ/ミシュリーヌ・プレール/マリサ・パヴァン/クロード・メルキ

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