ゆかいな仲間たち よいこの映画時間

☆45本目『隠された日記 母たち、娘たち』

2019/12/08


【あらすじ】

祖父の家のキッチンで、母が幼い頃、家を出た祖母ルイーズ(マリ=ジョゼ・クローズ)の日記を見つけたオドレイ(マリナ・ハンズ)。
日記には、レシピの他に、当時祖母が心に秘めていた想いが記されていました。
母のマルティーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)に日記のことを話しますが、祖母については口を閉ざすばかりで…。

路子
路子
オドレイ役のマリナ・ハンズは、プライベートでもドヌーヴと仲良しなんですって。

そうなんですか?
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
うん。「いつも仲良しだけど、本番が始まると険悪な仲になるのは面白かった。」と、インタビューでドヌーヴが言ってた。
私はこの娘役の人があまり好みではないけれど、『ミス・ブルターニュの恋』で感じた、なぜ娘役がこの人なのかしら? という違和感と非常に近いものを感じてしまったの。

私は結構好きなタイプですが。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
だと思う(笑)。


路子
路子
テーマがはっきりとした映画だったわね。
まずひとつは、サブタイトルにもなっている、母と娘の関係性。もうひとつは女性の自立。
母と娘については、社会が抱える永遠の課題だけれども、私自身、母親に対しても、娘に対しても、大きな問題を抱えていないから、少し遠い話に感じてしまった。
女性の自立に関しても、私たちの世代は、わざわざ獲得しなくてもあったものだから、働くのは当たり前だと思ってた。

映画の中で描かれているルイーズの時代は、そういったことが難しかったんですよね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうね。その難しい時代の中で、自立するために頑張ったのが、母親のマルティーヌ。

努力をする上で、ルイーズからの教えが大きかったように思いました。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
ルイーズは、むなしい毎日を送るなかで、女性の自立の大切さや、仕事を持つことへの重要さを知っていた。だからマルティーヌにも、頑張って豊かな人生を送るようにと強調して言い聞かせていた。結局その通りになったのよね?

たしかにその通りにはなりましたが…。
マルティーヌが、娘のオドレイに対して「自由にやってほしかった」と言ったのは、自分の母親から、呪縛のようにずっと言い聞かせられていたからかもしれませんね。
自分は仕事人間のようになってしまったけれど、こうはならなくても良い、もっと自由に生きて良いよ、という意味を含んでいた、と私は捉えました。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
自由にやりなさい、と言いながら、オドレイが遠くに行くと怒ってり、不機嫌になるのは、娘にとってはたまらないし、矛盾はしているけれど、感情のことだからしかたないのよね。

あげたプレゼントも喜んでもらえないし。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
喜んでくれなかったのは、マルティーヌの母親が夢中になり過ぎて、夫に取り上げられてしまったカメラだったからかもしれないわね。


ルイーズの日記についてはどう思いますか? 生きていく上での息苦しさや、子どもへの愛情を綴ったものでしたが。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
愛という名の反抗しにくい状況によって抑圧されていた人物だから、書かずにはいられなかったんでしょうね。すごく愛されてはいるけれど、理解のない夫。それは本当の愛ではないわよね。
レシピ集の中に日記が書いてあった、という設定なのよね?

色々帳みたいな感じで使っていたのかもしれませんね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
ルイーズは、とてもクリエイティブなものを持っている人だったのだと思う。

語学であったり、写真であったり。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうそう。日記を書き残すのも、そのひとつよね。


「シーフードはRのつく月に食べる」、というのがありましたけど、あれってフランスの格言的なものなんですか?
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
私も思った。『逢いたくて』でも「Rでおわる月しかキスをしない」と言っているシーンがあったわね。

「R」の意味とは…。
りきマルソー
りきマルソー

(フランス人のお友達に聞いてみたところ、ルイ15世の時代から言われていることで、当時の社会的背景が関係しているとのこと。基本的には、衛生面を考慮した決まりだったらしく、Rのつかない月、つまり5月から8月は食べてはいけない、ということらしいです。)

路子
路子
マルティーヌは夫と愛し合っていると思う?

夫は全てを受け入れているような人物でしたよね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
すごく良い人なのよね。 全然嫌な部分を感じない人だった。

娘よりも、妻であるマルティーヌの方が大事だと思っている節がありましたね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
いつもマルティーヌをかばってるのよね。
でも、問題かな、と思った部分もあった。マルティーヌは妊娠に気づいているのに直接聞かず、夫が、つまり父親が娘にその話を切り出すのよ? 母と娘の距離感をとても感じたシーンだったわ。

女性からの方が話しやすいですよね。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
父親よりは、母親に相談したいわよね…。


路子
路子
テーマが明確すぎたから、もうちょっとひねりが欲しかった。

分かりやすかった、ということですか?
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
現実世界でよく見聞きするものが描かれていた感じがしたの。
結局、ルイーズは家を出て行ったわけではなく、夫に殺されたという結末だったけれど、それが分からなかったら、マルティーヌとオドレイは、寄り添わないまま、また旅立ち、疎遠になっていたかもしれないわね。
真実が分かったからこそ、マルティーヌの弱い部分が見え…。

マルティーヌがどうして娘に冷たい態度を取っていたのか、というのが分かる。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
カトリーヌ・ドヌーヴの出演作品として、他の作品でも見るタイプの人物だったわね。ちょっと冷たい人で、エゴイスティック、愛情がない訳ではないけれど、近寄りがたい母親。

『3つの心』や『ミス・ブルターニュの恋』でも描かれているような。
りきマルソー
りきマルソー

路子
路子
そうそう。

作る側も世間が抱いている「ドヌーヴは冷たい女」というイメージを持っているから、クールな役に起用するのかもしれませんね。
りきマルソー
りきマルソー




~今回の映画~
『隠された日記 母たち、娘たち』 2009年10月 フランス/カナダ
監督:ジュリー・ロペス=クルヴァル
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/マリナ・ハンズ/マリ=ジョゼ・クローズ/ミシェル・デュショーソワ

-ゆかいな仲間たち, よいこの映画時間