◆第30回 2017 4/15「谷崎潤一郎とエロス」
2017/05/23
ごきげんよう。
みなさま。春でございます。唐突ですけれども私、このところ、「さぼっていてもいいじゃないの、と心から思える」、そんな薬物を手にしたいと、切に願うようになりました。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
4月の「山口路子のミューズサロン」のご案内です。
◆4月15日(土)15時から18時(以降、ゆるやかに終了)
◆テーマは……
なんと。
「谷崎潤一郎とエロス」
……
……
え。
質問:だれが、お話を……。
答え:それは、みなさま……。
ええ。この間のサロン、そろそろみなさんお帰りの、あの不可思議な、魔法でもかかったかのようなあの時間帯(意味不明)……、これからのサロン、どんなことをテーマにしたいかしら、とみなさまにお聞きしたところ、みなさまほんとうに、勝手なこと、いいえ、独創的なことをあれこれとおっしゃって、そんななかに、谷崎……という声が。エロス……という声が。
というわけで、谷崎潤一郎の作品についてあれこれと勝手に言いながら、それでいて、終わってみたら、「わりと……深い内容だったのでは……?」と思えるようなサロンを目指します。
なにか必ず読んでくる必要はありません。いつものように、「きくだけー」な方でも大歓迎です。
私の未発表の原稿に、こんなのがありましたので、ご紹介いたしましょう。「軽井沢夫人の講演録」って本ね、「軽井沢夫人」の、いわゆる続編ね。もう何年も前に信じがたいことがあって、発表直前で、お話が消えたのね。その原稿の一部ね。
そうだわ。悔しいから、谷崎サロンでは、この講演録の内容をひとつ、お話したいと思います。テーマは「ドレサージュ」。お楽しみに。
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おまけ
■本日の軽井沢夫人の推薦図書■
今宵は谷崎潤一郎さまの『痴人の愛』の世界へ……。
こちら、ナオミという名の御婦人が、とっても上手に、ジョージという名の殿方をドレサージュなさっておいででございます。さまざまなテクニックが披露されていて、参考になりますわよ。一例をあげましょう。「友達の接吻」。これ、唇を合わせないキスでございまして、ぽかんと開けたジョージの口のなかにナオミが息を吹き込むというものでございます。ジョージは目をつむってそれをおいしそうに深く吸い込みます。ナオミの息は「人間の肺から出たとは思えない、甘い花のような薫り」がします。
他にもたくさんためになることが書いてありますので、未読の方はぜひお読みになってくださいな。『痴人の愛』は、「社会化されたマゾヒズムを描ききった」文学作品として評価されているのでございますが、わたくしは、「ドレサージュしあう男女を描ききった」文学作品として評価しておりますのよ。
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