MODEな軽井沢 特別な物語

写真家リンドバーグとモードな名画◆2008.12.1

2020/04/22

「ハーパース・バザー日本版 7月」に、美しい数ページがありました。
タイトルが「最新モードで甦る名画のミューズ」。
「トップブランドが、アートコンシャスなルックを打ち出した今シーズン。新作映画が話題の女優、ジュリアン・ムーアが名画のミューズをイメージして最新モードを着こなす」という特集でした。
「ミューズ」に関する本を2冊出している私としては、それだけでひきつけられて当然といえましょう。
ただ、たいていの場合、これ、人間のサガだと思うのですが、自分の得意分野や、好きなものを他人が「表現」するとき、どうしてもケチをつけたくなる、そういう心理があります。
(私のところにもしばしば、この「ケチ」っぽいものが向かって飛んできます)。テーマは、「絵画」、「映画」、「軽井沢」に関するものが多いです。この種のものには多大なるこだわりをもつ方々が多いのでしょう)。
しかしながら、この特集に、私はケチをつけるどころか、すっかり魅せられてしまったのでした。
グスタフ・クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」を意識した絢爛豪華なドレス、これはクリスチャン・ディオール。

さらにはエゴン・シーレの「座る女」を意識したシックなドレス、これはランバン。

他にもモディリアーニやドガなどが登場するのですが、すべてが、名画とはまた違った魅力に溢れていたのでした。
この魅力は、もちろんヘアメイク、衣装ほか、それからジュリアン・ムーアの力が結集して生み出されたものなのでしょうが、やはり、その瞬間を捉えた写真家の存在が大きい。

クレジットを見て、私は深く納得したのでした。
ピーター・リンドバーグ。ドイツのファッション写真家。
「あのピーター・リンドバーグ」
とか
「泣く子も黙るピーター・リンドバーグ」
などと形容される、超有名写真家です。ナオミ・キャンベルをはじめとするモデルを数多く撮影した、元祖スーパーモデルカメラマンでもあります。
「セックス・アンド・ザ・シティ」のスミス役で有名なジェイソン・ルイスも、今年はじめて彼と仕事ができたことがとても嬉しかったようで、
「世界的ファッションカメラマンであるピーター・リンドバーグと仕事する機会をあたえられた。彼の仕事ぶりはまさに魔術師と呼ぶにふさわしい!」
と言っています。

モードもファッションもうつろいゆくものだけれど、写真家が、ある一瞬を切り取ったとき、そこに美があれば、それは永遠に残る。
ピーター・リンドバーグの「ファッション写真」をいま、じっと見つめていると、「ファッション写真」などという分類が愚かなものに思えてきます。そして「ぼくは絵を描くように撮るよ」というマン・レイの言葉を、ふと思い出したりするのでした。
ピーター・リンドバーグのオフィシャルサイトはこちら。

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