MODEな軽井沢 特別な物語

◆ファッションの好みの変化◆2009.7.20

2020/11/24

 

イザベル・アジャーニといえばフランスの大女優、その美貌と、アンチエイジング・エナジーで人々を魅了しています。もちろん演技力も。
二週間ほど前でしょうか。
心優しい知人からいただいたDVDを観たのは。
日本版のタイトルが「イザベル・アジャーニの惑い」という、ぜんぜんそそらないものだったので、ずっとそのままにしておいてしまっていました(Kさんごめんなさい)。

ところがひょんなところから、この「イザベル・アジャーニの惑い」という映画の原題は「アドルフ」だということが判明。ぜんぜん違います。

「アドルフ」といえば、コンスタンの手によるフランスの素晴らしい恋愛心理小説。
私の大好きな小説なのです。

筋書きは、前途有望な青年アドルフが、ある伯爵の愛人エレノールに恋を仕掛ける。
エレノールはアドルフに溺れて伯爵も子供たちも贅沢な生活もすべて捨てる。するとアドルフが逃げ出す。そして悲劇が。

という、よくある話なのですが、恋が冷めてゆく男の心の動きが、細かく描かれていて面白いのです。
まったく!
「愛していて愛されないのは恐ろしい不幸である。だが、もはや愛していないときに情熱的に愛されるのは、更に大きな不幸である」
こんな身勝手なセリフ!
(……でもなぜか好き)。
映画も、原作からそれほど離れていなくて楽しめましたが、それよりも何よりも、息が止まるほどに見入ってしまったのがあって、それは特典映像として収録されていた「イザベル・アジャーニ来日インタビュー」でした。

 

一人の女性の美しさに、こんなに魅了されたのは久しぶりの経験です。
視線の動かし方、手の動き、多くを物語る瞳……そして品格漂うメイク、ヘアスタイル。
そう! 
このショートヘアのイザベルと、黒いブラウス、細くV字に開いた胸元に重たく下ろされたゴージャスなペンダント。完璧です。繰り返して三回、観ました。
                                                             
そして、自分のなかに変化が訪れていることを知ったのです。
以前ならば、たぶん、このイザベルにここまで魅了されなかった。
どちらかといえば、こんなかんじのモニカ・ベルッチが好きだった。↓

今でももちろん好きだけど。だーんと開いたデコルテも好きだけど、それでも、イザベルのこの露出度少の黒いブラウスのほうが、今の私の好みなのです。
好みってほんと、変化します。

いま、クローゼットをながめ、「これだけ並んでいても、着たい服が一枚もない!」とひとりで絶叫したりするのですが、だから新たな欲望が芽生えて、それが人生を彩ったりするわけなので、そう考えると、好みの変化、100%悲観しなくてもよいみたいです。

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