■すべては意志のせい 「孤独について」 中島義道■
2019/03/25
「ニーチェの不可解きわまる思想のうち、私がごく最近了解し始めたことがある。
それは『何ごとも起こったことを肯定せよ。
一度起こったことはそれを永遠回繰り返すことを肯定せよ』」
という「運命愛」と名づけられている思想である。
つまり、私に起こったことすべてを「私の意志がもたらしたもの」として捉えなおすことだ。」
中島氏の著作は、たいてい、面白い。私は好きだ。
「孤独について」のサブタイトルは「生きるのが困難な人々へ」。
ニーチェの「運命愛」についてのくだりは、現在の私に強く響いた。
このところ身の回りに起こっている、人との出逢い、摩擦、失望、恐れ、ときどき悦び、再び失望……といった事柄も、「すべて、私の意思がもたらしたもの、すべて、私が選びとったもの」と考えれば、なにやら、そんな気もしてくる。
もちろん、すごく無理をしなければそう思えないこともあるけれど。
いいえ。そうなのだ。すべて自分の意思がもたらしたものなのだ。
そのように、うなずくことができるときは、いつもよりも視線が冷酷になる。
おどおどとした色がなくなり、冷酷に強さ(傲慢さ)がプラスされる。
背筋が伸びて、人生短いのだから、やりたいことはできるだけ早いうちにやっておかなければ、と思う。
ずいぶん、飛躍しているようだけれど、私の思考はどうしても、そのように流れてしまう。