■「それでも人生にイエスと言う」 フランクル■
2016/05/18
1「人間として生きている意味を疑うと、絶望にいたるのは簡単です」
……そのとおり。
「生きるとは、問われていること、答えること
―――自分自身の人生に責任をもつことである。」
……はい。
「なにはともあれ苦悩は人生そのもののうちに含まれているのです。
ですから、まさに苦悩しないことが病気である場合もあります」
……なるほど。
「私は眠り夢見る、生きることがよろこびだったらと。私は目覚め気づく、生きることは義務だと。私は働く――すると、ごらん、義務はよろこびだった。(タゴールの詩からの引用)。」
……忍術のようだ。
衝撃的な一冊の本、フランクルの『夜と霧』のことも『それでも人生にイエスと言う』のことも、以前に書いた。
今回、必要があって、ぱらぱらっとページを繰っていて、気持がふと、らくになったのは、ぜんたいに
「そういうわけで、生きるということは、ある意味で義務であり、たった一つの重大な責務なのです」
があったからで、こんなふうに、決めつけられると、「はい」と神妙に頷いて、色んなことを疑うことをしたくなくなる。
これ、悲しいかな、持続しないので「ちっ」と舌打ちしたくなるけれど、ときどき、開いてみるのもいいかもしれない、と思った。