◎人生万歳◎
2016/10/21
ウディ・アレンの40作目の映画。
ブラックジョーク、アイロニーがいっぱいで、すっきりした。
すっかり老人っぽくなった監督のインタビューも収録されていて、対話に切れがなかったのが残念だったけれど、ひとつだけ書きとめたやりとりがある。
インタビュアーの
「人生を楽しむために必要なことは何でしょう?」
この勇気あるシンプルな問いに、ウディ・アレンは応える。
「日常生活からの逃げ場を作ることかな。
人生は苦しみや悩みも多く悲劇や困難もあるからね。負の要素を忘れさせる楽しみが必要だ」
そして映画とかそういうものは「逃げ場」にはならないという。「雨に唄えば」という名作を観たって自殺したい気持ちはなくならないだろう? と。
ときどき、こらえられずあくびをしたり、あくびをかみころしたりしながらインタビューに応じていた。
作品を観てくれ、それがすべてなんだ、と言いたいんだろうなあ、なんて勝手に想像しながら私は観ていた。
そしてみんなの「逃げ場」について、たずねて歩きたい気持ちになった。あなたの「逃げ場」は何ですか? と。