◎Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち◎
2016/06/11
もうずいぶん前のことだけれど、ピナ・バウシュの映画を観てきた。
この分野は疎いから、言葉を使うのがこわいかんじがする。
だから簡単に表現すれば「踊る」という人間の行為について、深く考えさせられた映画だった。
踊ることによって、人は自分のいのちに、何を吹き込むのか、そんなことを。よい時間を過ごせた。
3Dでなければもっとよかったのに。私は3Dが嫌い。
そして、こころに響いたワンセンテンス。
ピナ・バウシュがダンサーの一人に言った言葉。書きとめたわけではないから、正しい引用ではない。
ピナは言った。
「踊り続けなさい。自分を見失わないために」
私の場合は「踊る」ところに「書く」がくる。
ああ、それぞれのダンスがあるんだな、と思った。演じる、読む、描く、走る……。
周囲にいる人たちの顔を思い浮かべた。彼の、彼女のダンスはなんだろう、と。
桜の花が開いて、満開になっておそろしいほどのエネルギーをまきちらして人をくるわせて、そしてやがて雨のなか、濡れて舞っている。もうちょっとで私が大好きな葉桜の季節がくる。