◾️長い休息と書店の風景と書きたい欲と
2025/11/06
『愛をめぐる言葉たち』発売されてからもうひと月が経とうとしている。
7月はじめの入稿からは2ヶ月。なんだか長い夏休みをしていたようなシーズンだった。タンゴやときめき、悲しみ、いろんなことは起こっているのだけど。原稿書きからは離れていた。
一冊の本を仕上げた直後は次の本のイメージがくるくると湧き上がってハイになっている。それをすぎると脱力がやってくる。この脱力期間が年々長くなっている気がする。
ここ1週間、体調を崩して横になることが多い日々を過ごしていた。ようやく不調から抜け出した昨日、仕事の打ち合わせに出かけ、久々に体の奥深くから力がみなぎってくるのを感じた。すべてはタイミング。
あの体調不良は脱力期間の終焉を告げていたのかもしれない。書きたい欲が沸き起こってきたことが嬉しい。
脱力期間のあいだ、大和書房の編集者さんから増刷の嬉しいお知らせがあった。『逃避の名言集』がまた話題となって売れているって。そして『ココ・シャネルの言葉』増刷のお知らせも。
ブルーモーメントからの『私を救った言葉たち』も好調、新刊の『愛をめぐる言葉たち』もいろんな書店さんで素敵に展開されている。そして今日『シャネル哲学 ココ・シャネルという生き方 再生版』増刷のお知らせが。
脱力期間中、なにかのひょうしに「成長」ってなんだろう、という疑問が浮かんだ。
辞書的な意味からは、これは、というものは得られなかった。
私にとって成長とは豊かになることかな。豊かとは、貧しくなく、硬くないこと。変容し続けていること。
誰でも年はとる、年齢を重ねる。でも誰もが成長するわけではない。年をとることと成長することはイコールではない。学び続けたいという意志、自分を見つめる目、他者をよく見る目、そういうものをもつ人にしか成長はないのではないか。
脱力期間、もうだめかも、書けない、とあいかわらずそんな暗闇にもおちて、それでもどこかで、いや、これは必要な休息なはず、と思い直したりして過ごすなかで、そんなことを考えていた。

