ふたりの映画鑑賞記/よいこの映画時間

☆31本目『リスボン特急』

2026/03/02

【あらすじ】
強盗団が銀行を襲撃し、大金を強奪している頃、刑事のコールマン(アラン・ドロン)はリスボン行きの特急列車で麻薬の密輸が行われるとの情報を手に入れ…。




♥M
メルヴィル監督の遺作として観ているファンが多くて、最初の銀行強盗のシーンが素晴らしいとか、電車のシーンで模型を使って撮影されているとか、色々な情報はあったけれど、割と素晴らしいという評価が多かった。
会話が少なくて、目線で語らせる感じだったね。
でも、ドヌーヴの出演シーンは、添え物程度だった。

♣R
注射器を使って殺害するシーンの複雑な表情や、ラストのドヌーヴとアラン・ドロンのシーンはよかったので、短いシーンの中でも印象的でした。きれい。

♥M
うん、すごく。看護師さんの衣装とかが好きな人にはたまらないね(笑)。

♣R
ヘリコプターのシーンがすごくていねいに描かれていましたね。

♥M
あのあたりが持ち味なのかな…最初の銀行強盗のシーンも長かったね。

♣R
男性はああいうのが好きなんですかね?

♥M
うん、好きだと思う。

♣R
男のロマン的な感じですか?

♥M
言葉少なく、視線で語るみたいなのが、かっこいいと思うのかもしれない。
ドヌーヴはメルヴィル監督と仕事がしたくて、この作品の出演を決めたのかな?
あまりインタビューで語ることもないみたいで、出てこないの。

■美しい顔立ちのアラン・ドロン


♣R
アラン・ドロンとドヌーヴの間に、恋愛的なことは何もなかったんですかね。

♥M
騒がれてもいない。

♣R
うちの母はアラン・ドロンが好きだったみたいで、昔、映画館によく観に行っていたみたいです。

♥M
アラン・ドロンはそんなにタイプではないけれど、かっこいい俳優として有名ね。

♣R
きれいな顔立ちをしていますよね。

♥M
まつげがやたらと長くて濃いという、どうでもいいことばかり見ちゃった。

♣R
私は彼の裸をネット検索して、研究しました。

♥M
(笑)。
アラン・ドロンというと、ヴィスコンティ監督の『山猫』が有名。
あの作品の中では、たしかに美男子として描かれている。
そういえば、塩野七生がアラン・ドロンについて、「彼は庶民の出身らしいのだけれど、どうしても上品になりきれない部分が見える」と、書いてる。
決してテーブルマナーが間違っているわけではないのだけれど、逆にきっちりしすぎて不自然だって。だから上流階級の役は…。

♣R
あまり合わないということですかね。

■闇社会の情報提供者


♥M
カティ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とコールマン(アラン・ドロン)の恋の場面はそんなに描かれていなかったね。

♣R
そうなんですよね。
一方的にコールマンに哀しい恋をしているゲイボーイみたいなものは、描かれていましたね。

♥M
えっ…どこどこ?

♣R
コールマンの車にいつも乗り込んでくる、女性の格好をした情報屋です。

♥M
あの人はやっぱりそうなんだ。
最初見た時に、いかにも男の人が女装してます、という顔だったから、女装しているのかな? とは思っていたの。途中からこういう顔の人なんだと思い始めたのだけれど…。
最後に「男娼として」というやりとりがあったものね。
ホモセクシュアルがいけないからということ?

♣R
売春行為がいけなかった、という意味だと思いました。

♥M
でも女性の売春という風にしないで、男の売春として、というような言い方をしていたでしょう?

♣R
青線地帯みたいな路地で売春をやっていたから、罰則を受けていたんじゃないんですか?

♥M
男娼としてしょっぴくと言われた時、何でそういう言い方をされているのだろうと考えた。
法律の問題があるからで、当時は、法律的に男の売春は女の売春よりも厳しかったのかな、と。あの人の役割は?

♣R
情報提供者(笑)。

♥M
そうだけど(笑)。

♣R
罪を軽くするために、警察に協力しろということですよね?
闇社会の動くようなところで売春をしていたから、情報も入るだろうと。

♥M
そういうところで働いていると闇社会と繋がりやすい、というのはよく聞くね。

■犯罪組織と刑事のおはなし


♣R
カティには旦那がいるけれど、前からコールマンとは関係を持っていて、秘密裏に会っていた、ということですよね。

♥M
しかも、カティの夫とコールマンは親友。

♣R
カティの夫は犯罪組織のボス。
コールマンはカティとの関係があるので、お互いに親友を裏切っていた、ということですね。

♥M
そう、お互いに…そしてコールマンはラストでその親友を殺してしまい、最後は、ハードボイルド的な男の哀愁みたいに、アラン・ドロンのアップで終わる。

♣R
犯罪組織と刑事の話、という感じでしたね。
アラン・ドロンがドヌーヴを見つめるシーンがよかったですが、そこもラストのシーンですね。

♥M
働いていた銀行をクビになり、そのことを奥さんに話せずに、しかたなく強盗の協力をしていた男の人がいたでしょう?

♣R
自殺してしまう人ですね。

♥M
そうそう。あの人が出てくる度に、かわいそうで…。
奥さんが心配している部分が、妙にクローズアップされていたでしょう?
出番としては、ドヌーヴと同じくらいあったね。

♣R
むしろ、その人の方がていねいに描かれていたような気がします。



~今回の映画~
『リスボン特急』
1972年 フランス
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:アラン・ドロン/カトリーヌ・ドヌーヴ/リチャード・クレンナ/
リカルド・クッチョーラ/マイケル・コンラッド

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