☆51本目『女神よ、銃を撃て』
2026/03/03
【あらすじ】
麻薬の密売をしている3人組のひとりが麻薬を盗んでいたことがバレてしまい、麻薬組織のボスに多額のお金を要求される。
メンバーのひとりロドルフ(ニコラ・デュヴォシェル)は、関係を持つ足の不自由な顧客の女性ジュリア(ダイアン・クルーガー)にお金を無心するが、断られてしまう。ふたりは何度か会う内に口論となり、ジュリアはロドルフを殺してしまい…。
*カトリーヌ・ドヌーヴはジュリアの母親ルイーズを演じています。

♥M
この作品はアクション映画というよりは、人情話だったね。
クスリの依存症であるジュリアは…。
♣R
事故で足が不自由になり、痛み止めとしてクスリを使っているうちに、依存症になってしまった。
♥M
モルヒネみたいな感じで使っていたのね。
♣R
フランソワーズ・サガンみたいにですか?
♥M
そう、サガンもエディット・ピアフも、多くの人たちがね。
▪️ダメダメな娘
♥M
この作品のドヌーヴは、夫の跡を継ぎ、社長として働いていて、お金もある。そして人情味もあり、自立している女性で、結構好きだった。
ロドルフを殺すつもりはなかったジュリアの殺人を隠すために、母親のルイーズは必死になってる。娘が崩れそうになって弱音を吐いている時も、「私だって強くないわ」と言いつつ、それ以上に娘を守りたいという気持ちがあるのが分かる。自分しか娘を守れないと思いながら、ひとりで奮闘している姿がよく描かれていた。
♣R
ジュリアは自分で人を殺したのに、奮闘している母親に対して、あたかも母親が殺したかのような態度を取る時がありましたよね。
♥M
ジュリアはダメダメちゃんな娘なのよ。
♣R
そのダメダメちゃんを演じているのは有名な人なんですよね?
♥M
ダイアン・クルーガー。
ドヌーヴとの共演が話題になったの。
♣R
そんなに目立ってはいなかったですし、たまに入るセックスシーンの人みたいな扱いでしたね。
♥M
映画の中では語られてはいなかったけれど、ジュリアの足があんな風になってしまったのは…。
♣R
もしかしたら、自分の責任だと思っているのかもしれませんね。
♥M
うん、そんな気がする。だから娘に対してとても甘いのかな。
その甘さが、ジュリアをあんな性格にしてしまったのかもしれないね。
■女神のために
♥M
ジュリアを守りたいルイーズは、なぜか麻薬密売をしていた3人組のひとりであるベン(ネクフ)と意思の疎通ができてしまっていたけれど、ベンって根はいい人だったね。
♣R
たしかに。実の娘よりもベンの方が、本当の息子並みに心が通じ合ってる感じがしました。
♥M
タイトルで使われている『女神よ、銃を撃て』というのは、麻薬組織の人たちが家に押し入ってきた時に、ライフルを構えて追い返すルイーズをさしているのよね?
♣R
そうですね。ベンはルイーズのことを「あんたに会った時 幸運の女神だと思った」と言っていますから、「女神」の由来はきっとそのセリフから取ったのだと思います。
♥M
原題は『私たちを隔てるもの』というポエジーなタイトルなのにね。
同じ不良グループの中でも、平気で人を殺せるような心底悪いことができる人と、そういうのをためらってしまう悪いことが出来ない人がいるんだな、と思った。
ベンは本当にいい人として死んでいったね。
♥M ♣R
女神のために自分が罪をかぶって。
♣R
ジュリアのためなんかじゃない。
♥M
自分の女神様のために罪を被り、絶対に嫌疑がかからないように遺書を残して死んでいった。ベンが死んでしまったのは悲しいけれど、心から、ああよかった、と思えるような終わり方の映画だった。


