白いトルコ桔梗と赤い千両

2026年のはじまりは、しずかに時が流れている。胸の奥の奥では、ちょっと油断すると荒れてどうにもならない感情があるけれど、それを重い石でおさえこむようにして、しずかに時を過ごしている。
大晦日、新年を迎えるための花を買いに近所のお花屋さんに出かけた。
お正月用にセットされてある花束は、きらびやかだったり、松ばかりが目立って好みではない。
赤と白だけにしようと、白いトルコ桔梗と赤い千両を選んだ。
今年は六十年に一度の丙午。私は丙午の年に生まれた。
どんな一年になるのか、十年前、五十歳の年には写真を撮ったり写真展をしたり朗読イベントをしたり、いろんなことをしたけれど、いまのところ、そういう方面への心の動きはない。
今年、書いて出版したい本は二冊。執筆とタンゴと、それから行ったことのない国を訪れたい。
諦観と希望のあいだを揺れ動きながら、それでも「いま」と「ここ」から離れることなく歩いて行けたならそれでいい。