ふたりの映画鑑賞記/よいこの映画時間

☆25本目『パリジェンヌ ーソフィー』

2026/01/16

【あらすじ】
ある日、母親の恋人が書いたラブレターを拾った18歳のソフィー(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、その手紙を使い、クラスメイトを相手に、ある計画を思いつく。その帰り道、翌日に音楽コンクールで使用するギターが壊れてしまったと嘆いている歌手志望のジャン(ジョニー・アリディ)に出会う。

短編オムニバス映画。カトリーヌ・ドヌーヴが出演しているのは、4本目「ソフィー」。




♥M
ソフィーとジャンの関係が、本当に短い時間で表現されていたね。
ふたりの間で共感するものだったりが、短い時間なのに、とてもよく分かる。

♣R
30分もないくらいでしたから、本当に短い作品ですよね。
いくらでも長くは出来るのに、短時間に凝縮できるって、やっぱりすごいですよ。
削る作業はとても大変ですからね。
ドヌーヴは、この作品ではじめて主演を演じたんですよね?

♥M
これがはじめての主演なのね!
しかも原案がロジェ・ヴァディム。

ロジェ・ヴァディムは、この作品の翌年に作られ、ドヌーヴも出演した「悪徳の栄え」を撮った監督で、ドヌーヴとパートナーだった時期があったけれど、結婚はしていない。
ドヌーヴの息子 クリスチャン・ヴァディムの父親でもある。
ブリジッド・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェーン・フォンダを作った男、と言われていて、彼女たちは、彼に会ったことで、女として花開いていく。
有名な話があって、彼女たちに「家にいる時は、下着を付けるな」と言っていたの。
そうすることで、エロティックな感じを出させてたみたい。
ジェーン・フォンダといえば…。

♣R
エアロビのイメージですよね。
私の母が昔それを観ながら踊っていて、階下に住む管理人に、うるさい!って怒られていました(笑)。

■かわいいドヌーヴ


♥M
ドヌーブは高校生役なのね。

♥M ♣R
かわいかった!

♣R
こんなドヌーヴって…。

♥M
あまり見ないね。

♣R
こんな風に無邪気に笑うんですね。

♥M
そうそう、笑顔がすごく素敵。

♥M ♣R
かわいい!

♥M
ツイストを踊っている時も。
初々しさがあるね

♣R
ずっとニヤニヤしながら観ちゃいました。

♥M
私も!
微笑ましい! 楽しい!

♣R
時より見せる大人っぽさと、少女らしさの両方が見え隠れしていて、子どもと大人との境で揺れ動く18歳の少女の姿が、上手く表現されていましたね。

♥M
若いことに負い目を持っているようにも見える。
若いのを自慢している訳ではなく、早く大人になりたいと、思っているような感じ。

♣R
フランス人はそういう意識を持っているイメージがありますよね。

♥M
そうそう。パーティーに行っても、お母さんのような色っぽさが自分にはない、と感じている。
それはやっぱり若さ故もあるから。
だから、18歳という年齢に対して、劣等感を感じているように見える。
ちょっとツッパっている感じもするしね。

■ひとりぼっちで寂しい


♥M
ソフィーの家に行った時、ジャンは彼女に何もせず、すぐに帰ろうとするでしょう?
そこでソフィーは彼を引き止めて、「帰らないで 私のそばにいて」と言うけれど、ちゃんと言葉にしてそう言えるのが羨ましい。

♣R
親が家にいないことが多くて、その寂しさがあるから引き止めたんですよね?
「涙は出なくても 心で泣くこともある」と言ってしまうくらい、寂しい日々を送っているから、きっと泣いてたんでしょうね。

♥M
うん、そうだと思う。次の日に歌の大会を控えているのに、帰らないで、ソフィーの側にいてあげるジャンの優しさもいい。
はじめてふたりが出逢ったとき彼は泣いていて、そのとき「寂しくて涙が出てきた」と言ってる。そういう感情の持ち主だからこそ、ソフィーの涙の意味が分かったのね。

♣R
だだっ広い家だから、寂しさも倍増しますよね。
あんな家にひとりぼっちでいたら、本当に寂しくなっちゃう。

♥M
そうよー。「愛に身を委ねているけれど、ふしだらな人ではない」と、認めている部分があるから、母親を否定することはしたくない。
けれど、やっぱりひとりぼっちの時間が多いから、とても寂しく思ってる。
家にたくさんある人形は、そういった寂しさや、少女性の象徴だと思う。
これだけ寂しい想いを味わってきた女性が、その後どうなっていくかが、とても気になる。
すごく過剰なものを求めていくのか、それとも、寂しさに慣れているから、ちょっと諦めみたいな気持ちを持っていくのか。りきちゃんはどちらだと思う?

♣R
どっちだろう…。
私なら転げ落ちる方ですかね。

♥M
どこまでも。今までの渇望を満たしてやるー!って感じ?
それで彼は満身創痍になりながらも関係を続けて、すごい曲を作っていくとかね(笑)。

♣R
やだーそんなの!(笑)。
路子さんはどちらですか?

♥M
私は…前だったら、同じく転げ落ちる方だったけれど、今は諦めの方に行くと思う。

■若さと経験


♣R
ソフィーには、若さ故の危険への甘さみたいなものがありますよね。
はじめて会う男の家にいきなり入って行くし、扉を閉められたら危ないかも…って私たちが思うようなことも、なんとも思ってない。若さってそういうのを乗り越えちゃったりしますよね。

♥M
若さだけではなく、経験のなさもあると思う。
何かで危険な目にあった、ということを、恐らくまだ経験していないから、そういったことに対しての危機感が少ない。無防備。
例えば、ジャンが悪い人で、傷つくことがあったら、次は警戒するだろうけれど…。

私、大学1年生の時、まだ誰とも付き合ったこと時ね。新歓コンパに参加した時、一番家が近い、ひとつ上の先輩が送ってくれたの。
家の前まで送ってもらったから、礼儀として、「送って頂いたので、部屋でコーヒーでもいかがですか?」って言ったら、先輩が「こんな夜遅くに、男の人を家に入れちゃダメだよ。」って。
信頼している、という以前の問題なのよ。

♣R
(笑)。
当時の路子は何も知らなかったんですね!

♥M
そうそう。育ちがそうさせたのかは分からないけれど、お礼としておもてなしをしなきゃいけない、と思っていたから。
でも先輩は、この子はまだ何も知らないんだな、という感じで笑いながら、「今後のために言っておくけれど、そういうことはしちゃダメですよ」って余裕な態度だった。
ソフィーを見て、そんなことも思い出しちゃった。

♣R
色々と知りたい年頃でもあるんですよね。
友達や同級生よりも、男性経験が少ないように見えるし、今まで抑えられていた何かが爆発したようにも見える。

♥M
経験をして大人になりたい、という気持ちも、きっとあったのね。
ジャンが電車に乗っているシーンでは、向かいの席に置いているギターを、「僕の恋人の分身なんです」と言うけれど、そういうところからも、これからふたりがきっと上手くいくだろうな、というのが分かる。
その席をそういう理由で、笑って譲らないのが、フランス的な感じ(笑)。

♣R
それを周りの乗客も笑って見ているのがいいですよね。
日本だったら嫌な顔をされますもんね。

♥M
そうそう。私は、ああいうの好き!

♣R
ソフィーが友達にからかわれているラストシーンは、ジャンと恋人になったから、余裕のある表情なんですよね。何を言われても気にしないという顔。大人に一歩近づいた感じ。

♥M
そうそう! これは大・オススメな作品ね。非常に素晴らしい短編。
ちなみにオムニバスの中の4話目ですよ、みなさん!

♣R
パッと観られますし!

♥M
素晴らしい短編小説を読んだ後に似ている気分だったわ!



~今回の映画~
『パリジェンヌ ーソフィー』
1962年1月 フランス
監督:マレク・アレグル
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジョニー・アリディ

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