○女性芸術家9「マリー・ローランサン」
■マリー・ローランサン(1883-1956)
パリに私生児として生まれる。アポリネールとの出逢いから20代のほとんどをキュビズムと関わって過ごす。その後スペインでダダの運動にも参加するが、彼女自身はアバンギャルドな画風とはまったく違う、独特の叙情的画風を貫いた。ディアギレフ率いるロシア・バレエ団の舞台美術、衣装を担当するなどその地位を確立する一方、肖像画家としても人気を博した。
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読み返してみて、ぽっと頬そまってしまうほどに、なんというか、このころの私ってこうだったんだなあ、という感想をもちました。
1996年「芸術倶楽部」連載の記事ということでお読みくださいね。30歳のときですので。
それから「うっかり人生がすぎてしまいそうなあなたへ」のなかでも、ローランサンにふれている章があります。「恋愛の被害者になれる女の匂い」というタイトルだったかな。
そこでは下記のエッセイでも紹介している「鎮痛剤」を槍玉にあげてしまっています。
「うっかり・・・」も20代なかばから30代なかばに書いたもの。よほどローランサンの絵なり詩なりから漂ってくるものが私、嫌いだったんだなあ、と思います。
ここではふれていないけれど、ローランサンはシャネルの肖像画も描いていて、でも、シャネルはそれがきにいらなくて、ローランサンにつきかえした、ってエピソードもあります。
シャネルの性格考えると、きにいらなそう。
(「マドモワゼル・シャネルの肖像」1923)
それでは、どうぞ。