ゆかいな仲間たち ブログ「言葉美術館」 路子先生との時間

▪️時の流れのなかで変わったものと変わらないで在るもの

 

 

 トークイベントに参加してくださった水上彩さんが、記事を書いてくださいました。

 「彩ちゃん」と呼んでいる彼女と会ったのは2010年の11月だから、もう13年が経ったということになる。

 このサイトの運営から始まって、いろんなところでお手伝いをしてもらって、数えきれないほどのお茶タイムや食事のなか、たくさんのインスピレーションをもらってきた。

『私を救った言葉たち』のなかにも、もちろん。

 今回の記事をFBで見つけて、嬉しくて何度も読み返して、それから時の流れを強く感じた。さまざまなことがらがあった。互いにみょうに人生がうまくいっていないときもあったし、どちらかが力になった、そんなときもあった。

 彼女は私の人生のなかで、離れないでいてくれるお友だちのひとり。お友だちというより身内に近い感覚を私はいだいている。

 彼女の了解を得て、書いてくださった記事をここに。あらためて、ありがとう。

 写真はイベントのときに手紙とともにプレゼントしてくれたブルーローズ。本の装丁と絶妙な組み合わせ。嬉しかった。

 水上彩さんの記事一覧はこちらから。

 

***

あっという間に2週間も経ってしまったけれど……
先日は山口路子先生の新刊『私を救った言葉たち』のトークショーへ。
 
しかも今回はなんと、出版社ブルーモーメント代表である竹井夢子さんとの対談。夢子ちゃんは路子先生のお嬢さんでもある。彼女が中高生の頃から知っているので、「あんなに立派になって……」と勝手に親戚のおばさん気分でトークショーを見守っていた。
 
3年前に一人出版社を立ち上げ、路子先生の「生き方シリーズ」を中心に、美術品のような本を世に送り出しているブルーモーメント。
数多くの本と一線を画するのが、思わず飾りたくなるような美しい装丁(サイズ、配色、デザインなどすべてが絶妙に美しい)。その本を持っているだけで、自分がなんだか高等な生物に思えてくるのだ。これは夢子ちゃんのこだわりポイントで、読書体験を、「私はこういう本を読む人間です」という自己表現に昇華しようとする着眼点がすばらしいと思う。
 
発信が得意な彼女はSNSでも多くのフォロワーを持ち、これまで本に触れてこなかった若い子たちが、本を読むきっかけとなるケースも多いそう。
そして心に響いたのが、「消費されない本を創りたい」という思い。読んで「あー面白かった!」でメルカリ行きではなく、ずっと手元において、お守りのように読み返したくなる本を創りたい、と仰っていたのが印象的だった。
路子先生の新刊は、まさにそのような本。
 
オードリー・ヘップバーンやココ・シャネルなど歴史に名を残した女性の生き方に焦点を当てて本を書かれてきた路子先生が、ご自身について書かれるのは約20年前に出版したエッセイ『うっかり人生がすぎてしまいそうなあなたへ』以来。
とても勇気のいることだからこそ、本書の救いの言葉たちが、ざらりとした実感を持って胸に迫ってくる。
何かしらの生きづらさを感じている人に、ぜひ手にとってほしい一冊。
母娘でトークショーなんて最初で最後にしよう、と笑っていたけれど、二人ともお話がうまいのと、司会進行の岡田朋峰さん(俳優の岡田眞澄さんの娘さんで2019年ミス・インターナショナル日本代表)の名ナビゲートもあって、2時間のトークショーがあっという間だった(ので、またやってほしい)。
そして笑うと三日月になる目、笑ったときの表情がそっくりで……なのに二人のこだわりの方向性や役割(作家と編集者)が全く違うからこそ、一緒に仕事がしやすいと仰っていて。こんな親子って素敵だな、とほのぼのしたトークショーだった。
 

-ゆかいな仲間たち, ブログ「言葉美術館」, 路子先生との時間