■美術エッセイ『彼女だけの名画〜ヨーロッパ絵画紀行』連載始めます。
2020/08/26
いきなりですが、私の物書きデビューはいつなのか、と問われることがあります。
1995年、28歳です。
講談社刊『FRaU(フラウ)』に「君の名は女神(ミューズ)〜名画のおんな」というタイトルで隔週の連載をいきなり始めました。
文章の勉強もしたことがない私にとって、月に2回の連載。日々、それだけで1年が過ぎたことをよく覚えています。
テーマは「ミューズ」。画家にインスピレーションを与えた女性、モデルに焦点をあてた絵画エッセイ。私の原点ですね。
これをまとめたものが2003年にようやく出版されます。処女作『彼女はなぜ愛され、描かれたのか〜大人のための恋愛美術館)』。(すばる舎)
これは2010年に『美神(ミューズ)の恋〜画家に愛されたモデルたち』というタイトルで文庫化されています。(新人物往来社/KADOKAWA)
ところで、『FRaU』での連載は3年続きました。
当時の編集長、伊原道紀さんが私を見出してくださり、3年も連載させてくださったのでした。
最初の1年が経とうというとき「評判がいいから、別のテーマでの絵画エッセイ考えて」と言われ、私はすぐに答えました。
「ヨーロッパの美術館を訪れたときに出逢った絵画との関係を書きたいです!」
伊原さんは「いいね、タイトル、考えておく」とおっしゃいました。
そしてそのタイトル、なんと私の結婚パーティーのスピーチで発表してくださったのです。1996年3月3日。(……遠い目)
「……というわけで、2年目の連載がスタートします。そのタイトルは、彼女だけの名画!!!」
ウエディングドレス姿の私、うわあ、最高に好みのタイトル、と思ったのをよく覚えています。
だって、好きな絵、自由に選んで書いていい、ってタイトルじゃないですか?
それで、この連載を1年続けて、「評判がいいからね、3年目もいこう。今度はリクエストあるよ、男論ね」と言われて、始めた連載が『男の美術館〜描かれざる自画像』です。
これは、大幅に加筆修正して、2013年『美男子美術館〜絵画に隠された物語』として出版されました。(徳間書店)
はい。
そうなのです。2年目の連載、『彼女だけの名画』だけが行き場がなくてかわいそう。
ということで「路子倶楽部」で連載をしてゆこうと思いました。
そこで、いま、ちょっと読み返してみたのですが、赤面です。
29歳〜30歳のときのものなので、「おいおい」と言いたいところがたくさん。
でも、そんな過去もあったわね、というのもありかな。
そこで、エピソードはなるべくカットせずに、けれど、おもいきり加筆修正して、路子倶楽部会員コンテンツとしてアップしてゆきます。
第1回目は「モナ・リザ」ですよ。モナ・リザが第1回目って……おいおい。