◆腕時計の思い出◆2010.3.15
2020/04/22
20代の中頃から終わり頃にかけての5年間くらい、腕時計に凝っていました。
当時は海外に出かけることが多くて、一つの都市で一つ、というかんじで、旅の思い出っぽいコレクションをしていたのです。
一流ブランドの高価なものではなく、たまたま入ったお店に気に入ったデザインのものがあれば買う。
そうして、面白い形の時計を集める事が楽しく、毎日違った時計をして出かけていました。
携帯電話が普及する以前の話です。すごい昔話をしているように思えてきました。
それからときが経ち、身辺事情の変化で海外へも出かけなくなり、私は腕時計に興味を失いました。
気が変わったのです。
腕時計をしないことは「時間に束縛されないで生活したい」という信条の象徴よ、なんて言っていました。
思えば、あの頃は、手には時計をふくめ、指輪もしない、ノーアクセサリーに徹することにひとりで喜んでいた時代でした。
そんなこんなと、腕時計についての想いをめぐらせることになったのは、とあるところで手に取った雑誌の一ページを読んだからでした。
(STORY 3月号)
「進化するブランドSTORY」という連載で「フランク・ミュラー」が取り上げられていました。
フランク・ミュラー。
1958年スイス生まれの「20世紀の天才時計師」。
「腕時計」という枠から大きく飛躍した時計を作ることで有名です。
たとえば、「クレイジー・アワーズ」。
これは文字盤の数字が、順番に並んでいなくて、あちこちに飛び散っていて、だから針は時刻が変わる度に、あちらこちらに行き来するのだそうです。これ、すごく見てみたいです。
日に焼けると、文字盤の色が変わってゆく「カラードリーム」もあります。
カジノのルーレットが文字盤に描かれている「ヴェガス」もあります。
……。
雑誌をじっと眺めていたら、また、日本から出て、どこか異国の町で、気に入った腕時計を買いたい、そんな欲望がつきあげてきてしまいました。