○女性芸術家10「タマラ・ド・レンピッカ」
■ラマラ・ド・レンピッカ(1898~1980)
ポーランド、ワルシャワ生まれ。20歳のころ最初の結婚相手とパリに移住し、このころから絵を描き始める。1925年の「アール・デコ展」に出品し、アール・デコの画家として注目を集める。以後、ボルドー国際美術展の金賞を受賞するなど、名声が高まる。35歳のとき、裕福な男爵と再婚、アメリカに渡るが、創作意欲は次第に薄れていった。
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インパクトのある絵だ、とは思う。
はっとさせられて、一度観たら、忘れられない。ほかの画家と間違えることもまず、ない。だけど、それだけで、あくまでもそれだけで、それ以上の何か、がない。
たとえば美術館でこの絵と出逢ったとき、絵の前にじっとたたずんで、想いをめぐらせる、感情移入をする、といったことはないだろうな、と思う。
それでも不思議だ。彼女に対して私は強い興味をもった。それは、ほおっておけない、という感覚に近いものだった。