ブログ「言葉美術館」

◆マリリンの命日に

2016/08/09

20160805

8月5日。今日はマリリンの命日。

私は、日にちにも弱く、あらゆる人たちの命日はおろか、誕生日も覚えられないけれど、なぜかマリリンの命日だけは、あんまり忘れない。『マリリン・モンローという生き方』を取り出して、ぱらぱらっとページを繰る。それだけで、胸の一部がぎゅっと締めつけられたようになる。

私の、ささやかなクリエイションである本、それぞれに、それぞれの時期にまつわる想いが、もちろんあるけれど、マリリンは、なかでも、もっとも苦しい時期に書かれたということで、一時期は、思い出すのもつらくて、自分で出版しておいて、手にとることができなかった、そんなときもあったくらいの、そういう本。

あのとき、私のなかの共鳴キーワードは「ミスフィッツ」だった。

ミスフィッツなマリリンに私のミスフィッツな部分が強く共鳴して、揺れて、書けなくなって、なにもできなくなった私は当時、36歳で亡くなったマリリンよりも、10歳も年上の40代半ばだった。

私は「あとがき」に、そのときの自分の状態を、必ず書き残すことにしていて、もちろんすべてを書けるわけはないけれど、自分にはわかるように書いているから、読み返せば、どんな状態だったのかがわかる。マリリンのあとがきは、だから、読み返せば、苦しい出来事が豪雨のように降ってくる。

マリリン。貴女の言葉を集めた本を出せることになりました。『マリリン・モンローという生き方』を書いてから5年が経過し、私の状況も心身ともに、ずいぶん変化しました。
だから、あのときとはまたすこし違った視線で、貴女を見つめることができそうです。
貴女の命日に、約束します。
私は、魅力的な「ひとりのひと」としてのマリリン・モンローを、私の愛の力で再び描き出します。
そしてひとりでも多くのひとに、私が感じる貴女の魅力を伝えます。手を抜きません。全力で書きます。

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