■不機嫌は怠惰 「若きウェルテルの悩み」 ゲーテ■
2016/05/19
「不機嫌は怠惰と似たものです。その一種です。われわれの性情はともするとそれに傾きます」
「不機嫌は、むしろ、自分のくだらなさに対するひそかな憤懣ではありませんか? 愚劣な虚栄によって煽られた嫉妬とつねに結びついている、自己不満ではありませんか?」
ウェルテルが「不機嫌」について、熱く語る箇所から。
不機嫌は怠惰。
不機嫌は自己不満。
そして、
不機嫌は悪徳。
これを読んだ翌朝、寝不足で体調が悪く、不機嫌な顔をしている自分自身に気づき、「不機嫌は怠惰、自己不満、悪徳! いけないいけない」と戒めたが、なかなか難しかった。
不機嫌は、むしろ、体調が大きな影響を与えるのかもしれない。
それから、たとえ不機嫌であっても、対応する相手によっては、それを隠すことが可能だ。
とすれば、外に現れた不機嫌は、相手への甘えがあることへの証拠。
甘えられる相手がいることは幸福でもあるが、甘えすぎると、幸福が崩れる。
甘えすぎは愛情表現では、けっして、ない。
甘えすぎを抑えようと、不機嫌を、できるかぎり抑えようとする、気持ちの動きのほうが、より愛情表現に近い、と考える夕暮れ。