ブログ「言葉美術館」

■ほんとうは叫びたい 「プレヴェール詩集」■

2018/01/18

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とても静かに飛ぶ鳥

血のように赤くて暖かい鳥

とてもやさしい鳥 ひとをからかう鳥

だしぬけにこわがる鳥

だしぬけにぶつかる鳥

ほんとうは逃げたい鳥

孤独な狂った鳥

ほんとうは生きたい鳥

ほんとうは歌いたい鳥

ほんとうは叫びたい鳥

血のように赤くて暖かい鳥

とても静かに飛ぶ鳥

それはあなたの心だ 美しいひと

ひどく悲しげにあなたの心がはばたくのだ

こんなに重くて白いあなたの乳房の内側で

***

現実の身の無力さに絶望する夜は、『鳥さしの唄』にすがって、誰でもいいから、この詩を私の耳元で囁いて欲しい、と思う。

似合わなくてもうそでもなんでもいいから、と思う。

心のなかがどのように縦横無尽に動こうとも、それは、世の中を歩くために必要な価値として認められない。


四十を過ぎて何を言ってんだか、と頭ひっぱたかれそうだけど、顔のしわは増えても体力は衰えても、この部分だけが老成しないことにあらためて気づいた。

 

 

 

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