ブログ「言葉美術館」

■■ヴォーグとカーラとアニー■■

2016/05/18

A新幹線に乗る前に、むしょうにファッション雑誌が見たくなって、時間がないのに東京駅構内の書店に。
ヴォーグを見つけて購入。
雑誌を入れるビニールの袋が好きではないので、「袋に入れないで下さい」と言う。
購入したという「証拠」の栞をはさんでもらって、重たい雑誌を抱えて新幹線に飛び乗った。

購入の動機のひとつとなった「カーラ・ブルーニ」の記事を読む。
「40歳フランスのファーストレディとなった彼女が、出生の秘密、過去の男性、サルコジとの出会いなど、そのドラマティックな半生を赤裸々に語った」記事を。

けれど、なぜか、心に響くところがない。良くも悪くもだ。
きっと、トップモデルでも歌手でもなく、ファーストレディという立場が、記事を面白くさせないのだろう。
反感を買うことをおそれている人の記事が面白くなるはずはない

「ジャッキー・ケネディの再来と謳われ……」ているらしいが、たしかに、周囲に何と思われようと、好きなようにするわ、という強さで、二人は一致しているかもしれない。


一日一日をいかに快適に過ごすか、という基本的なくせにすっごく難しい問題を考えたとき、彼女たちの選択は、とても正しいように思う。

 

なぜなら、彼女たちがもっとも恐れたのは退屈なのではないか、と想像するからだ。

赤いドレスの写真が素敵だった。もしかしたら、とクレジットを見ると、やはり「アニー・リーボヴィッツ」。

この間、彼女についての映画を観たばかりだから、彼女の作品を発見することができて嬉しかった。


地球上に同じころに生を受けて、ひとりはアニーに素敵な写真を撮ってもらい、ひとりは携帯でセルフポートレイトを撮っている。

ああ。こうなったら一年以内に(一ヶ月でも一週間でも可)、どこかの屋上で、空を背景に写真を撮る、撮ってもらう、ことを目標に、日々「美」への執着を捨てずに涙ぐましい努力を続けましょう。

 

 

 

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