■なるべく多くの魂につながりたい■
2016/06/02
ようやく原稿がのってきた。
休憩タイムに坂口安吾を読む。ぼろぼろになった『堕落論』。
今日は「大阪の反逆」からの箇所が胸に響いた。
好きな言葉だから以前に書いたことがあるかもしれない。
「我々が知らなければならぬことは、身の上話のつまらなさではなく、身の上話を語りたがる人の心の切なさであり、あらゆる人が、その人なりに生きているおのおのの切なさと、その切なさが我々の読者となったとき、我々の小説の中に彼らがそのおのおのの影を追うことの素朴なつながりについてである」
好きだなあ、安吾。
つづけて「なるべく多くの魂につながりたい」という言葉もある。
縁あって出会った人たち。
私と会ったことで嫌な想いをする人もいるし、また、何かを得たと言ってくれる人もいる。私に会いたいと言ってくれる人たちと私はつながりたいと願う。
本もそうだ。会ったことはないけれど、私の本に、強く共鳴してくれる人がいたなら、きっと私とその人の魂はつながっている。そう信じて、書き続ける。