◎エディット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー◎
2016/10/20
「いいえ、ぜんぜん、いいえ、私は何も後悔していない」
話題の映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌』、有楽座にて、土曜のお昼、一人ひっそりと鑑賞し、心で号泣し、ドキュメンタリーのDVDを借りた(のちに購入)。
映画のヒットのおかげでピアフ関連の商品が充実するのは、とっても喜ばしいことだ。
ドキュメンタリーの中、インタビューの場面。
――恋愛経験も豊富で波乱に満ちた人生ですね。他の歌手のような穏やな暮らしは?
――悪くはないけれど、そういう生き方では歌えなかったでしょうね。いつも全力投球なのよ。
――すべてに?
――そうよ。
――道徳に反しても?
――ええ、そうよ。
このときのピアフの表情、目の表情があまりにも美しくて、繰り返し見た。
そして、死の直前、「奇跡のカムバック」と言われたオランピア劇場で、「いいえ、私は何も後悔しない」と歌うピアフ……。美しすぎる。
また、23歳年下の夫テオ・サラポとのデュエット「恋は何のために」を歌うピアフの魅力的なことといったら絶句してしまうくらい。抱きしめたいくらい。
そこには私の琴線にふれる、瞬間の美しい愛があった。「愛を信じたい」という気持にさせる輝きがあった。
ところで『エディット・ピアフ~愛の讃歌』。
素晴らしかった。好きなひとの伝記映画だから前評判、事前知識ゼロで、祈るような気持ちで観に行ったけれど、素晴らしかった。
もう一度行こうと思う。
だって、ラストが「Non,je ne regrette rien いいえ 私は何も後悔していない」。
私の大切な小説『女神 ミューズ』のラストシーンと同じだなんて、それだけで感激。
生きてて良かった、と思ったくらいの感激。