ブログ「言葉美術館」

■ヴァリーの告白 「エゴン・シーレ展カタログ」■

2016/05/19

20130816_43cd2d「私は、今日1913年1月8日に明言いたします。この世でだれも愛してはいません、と。ヴァリー

シーレのミューズ、あの有名な、そして私にとって特別な「死と処女(おとめ)」のモデルとなったヴァリー。

彼女については詳細な記録は残されていなくて、けれど一度だけ、シーレのスケッチブックの中に自分の言葉を書き込んでいる。

それが、この一文。冗談めかして言っている言葉らしいけれど……。

Kana1991年のシーレ展カタログを手に入れて、初めて知った。

「哀しみの女」のページにあった。

そこには続けて次のような言葉がある。

シーレとの生活で資料として残されたヴァリー側からの積極的な表現が、このことばだけであったこともまた象徴的で、痛切な事実である

冗談であろうとなかろうと、とっさに書いた一文であろうと、この世でだれも愛してはいない、という言葉を綴るヴァリーに、きっとシーレは魅せられたのだろうな、と思う。

そのひとをかわいがりたい、という情熱とは違う種類の情熱だっただろうけれど。

軽井沢は紅葉シーズン。木々の色が、おそらく同じ色は何一つとしてない葉が、とても美しいです。

早朝などはずいぶん冷たくて、車の外気温表示「5℃」などに、マイナスになる日がもうすぐそこまで来ていることを知らされる。

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