◎最高の人生をあなたと◎
2016/06/11
またしてもまる4日間、ベッドで過ごしてしまった。
時間の経過の感覚がなくて、この映画を観たのもずっとずっと前のことのように感じる。
休日昼下がりの映画館、8割がうまっていた。
ものすごく年齢層が高かった。
後ろの席の男性が「なんだ、みんなシニアじゃねーか」とシニアな声で言っていたけれど、ほんとうに、もしかしたら私、最年少? と思うくらいだった。
映画が映画だからかな。
60歳の夫婦の物語。
映画のコピーが「時代はウィズ・エイジング。美しく年齢を重ねたい全ての女性に贈る、ビタースウィートな応援歌」。
テーマは「老い」。
どのように「老い」をうけとめ、うけいれ、愉しむか。
私は主演女優のイザベラ・ロッセリーニのファンで、それで観に出かけたのだけど、首のたるみ、顔のしわ、「美しかった」とは言わない。
でも、醜くはなかった。「いいなあ」と思えた。
映画のコピーは「ウィズ・エイジング」というけれど、日本では「アンチ・エイジング」。
不自然な肌をした年齢を重ねた人(若くない人)たちが増えている。
私だって、こういう年齢だから、できる範囲で、努力はしている。でも不自然なのは嫌だ。醜い。
イザベラ・ロッセリーニを90分観続けて気づいたのは、生き方とか、その人の魅力は瞳に宿るのだな、ということ。
瞳にはしわもできないし、たるみもない。
誰かを見つめる瞳、熱心に自分の考えをしゃべっているときの瞳、ひとりカフェで物思いにふけるときの瞳。
そこに人間性が、女の色香がでる。
映画のイザベラ・ロッセリーニまであと15年。
生きているかわからないけど、私もこんな瞳をもちうる女でいたい。