■■「親愛なる人」とマリリンとチューリップ■■
2016/06/11
新刊が出ると、数は少ないけれど「親愛なる人」たちからメッセージが届いて嬉しい。
この「親愛なる人」という言葉、娘との間で、このところブーム。
発端は次のような会話から。
娘「そろそろバレンタインだね」
私「そうねえ」
娘「まさか、またなんにもしないんじゃないでしょうね」
私「そうねえ」
娘「親愛なる人くらいにはバレンタインのチョコレート送ったほうがいいよ。年賀状も出さないし、なんにもしないんだから」
私「し……親愛なる人!?」
娘「そう、親愛なる人」
私「いいねえ、その言葉。うけた、気に入った」
娘「うけてる場合じゃないよ、ママの場合は、親愛なる人といえば、ほら、HさんとかOさんとかTさんとか、いるでしょう。すごくお世話になっている人」
私「別にお世話してって頼んでないけどね」
娘「あーあ。その考えだから友達がいないんだよ」
私「別にいらないもん」
というわけで、こんな私でも離れないでいてくれている奇特な方々を「親愛なる人」と、このところお呼びしているわけです。
ところで昨日は嬉しい事件があった。
いつもの時間にピンポンピンポンポンポン!とインターホンがけたたましく鳴らされた。
娘の帰宅。おかえりー、と玄関を開けた。
目の前に赤いものが突きだされた。
「マリリン発売、おめでとう!」
チューリップの花束だった。思いがけない花束に私は言葉を失うほどに胸をつかれた。ありがとう、の抱擁をして、じーんと、花束を見つめる。
娘は喋り続ける。……それでね、すごく目立つところにたくさん置いてあってね、それが、減ってたよ、となりのマリリン関連の本より、売れてたよ……、本屋さんでマリリンチェックして花束買うために、ほら、ダンス教室まで時間がないからさあ、走って帰ってきたんだよー……
嬉しすぎる。
私も「親愛なる人」たちに、気持ちを行動で示してみようかな。
チューリップはあたたかなところに置くとすぐに花弁が開いてしまう。
長くもたせるために切り口にお砂糖をつけてあげる。なんだかマリリンみたいな花。