ブログ「言葉美術館」

■■「親愛なる人」とマリリンとチューリップ■■

2016/06/11

120207_175501新刊が出ると、数は少ないけれど「親愛なる人」たちからメッセージが届いて嬉しい。

この「親愛なる人」という言葉、娘との間で、このところブーム。

発端は次のような会話から。


娘「そろそろバレンタインだね」

私「そうねえ」

娘「まさか、またなんにもしないんじゃないでしょうね」

私「そうねえ」

娘「親愛なる人くらいにはバレンタインのチョコレート送ったほうがいいよ。年賀状も出さないし、なんにもしないんだから」

私「し……親愛なる人!?」

娘「そう、親愛なる人」

私「いいねえ、その言葉。うけた、気に入った」

娘「うけてる場合じゃないよ、ママの場合は、親愛なる人といえば、ほら、HさんとかOさんとかTさんとか、いるでしょう。すごくお世話になっている人」

私「別にお世話してって頼んでないけどね」

娘「あーあ。その考えだから友達がいないんだよ」

私「別にいらないもん」


というわけで、こんな私でも離れないでいてくれている奇特な方々を「親愛なる人」と、このところお呼びしているわけです。


ところで昨日は嬉しい事件があった。

いつもの時間にピンポンピンポンポンポン!とインターホンがけたたましく鳴らされた。

娘の帰宅。おかえりー、と玄関を開けた。


目の前に赤いものが突きだされた。

「マリリン発売、おめでとう!」

チューリップの花束だった。思いがけない花束に私は言葉を失うほどに胸をつかれた。ありがとう、の抱擁をして、じーんと、花束を見つめる。


娘は喋り続ける。……それでね、すごく目立つところにたくさん置いてあってね、それが、減ってたよ、となりのマリリン関連の本より、売れてたよ……、本屋さんでマリリンチェックして花束買うために、ほら、ダンス教室まで時間がないからさあ、走って帰ってきたんだよー……


嬉しすぎる。

私も「親愛なる人」たちに、気持ちを行動で示してみようかな。

チューリップはあたたかなところに置くとすぐに花弁が開いてしまう。

長くもたせるために切り口にお砂糖をつけてあげる。なんだかマリリンみたいな花。

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