◎55本目『男と女』『男と女Ⅱ』『男と女 人生最良の日々』
◇『男と女 人生最良の日々』公開に合わせ、「よいこの映画時間」では、『男と女』、その続編『男と女Ⅱ』、最新作『男と女 人生最良の日々を』を語ってみました。
3本分の私たちのおしゃべりを、どうぞお楽しみください。
【『男と女』 あらすじ】
同じ寄宿学校に子どもを通わせているアンヌ(アヌーク・エーメ)とジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)。ふたりとも、ひとりで子どもを育てています。それはなぜか。ふたりの過去、そして現在。縮まる距離、恋の予感。そして未来はあるのか…。
アヌーク・エーメ、綺麗でしたね。
この時代の映画女優だから、衣装、化粧、見た目に、どこか古めかしさを感じるはずなのに…。
この時代の映画女優だから、衣装、化粧、見た目に、どこか古めかしさを感じるはずなのに…。
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路子
ちょっとした古めかしさ、ドヌーヴも含めてでしょう?
そうですね。
でも、アヌーク・エーメには、そういうものを感じない。
でも、アヌーク・エーメには、そういうものを感じない。
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路子
本当にそう。今いても…。
全然おかしくないくらい。
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私は、彼女が本当に好き。ユペールみたいな種類の魅力ではなく、もう綺麗、美しい、というので一番感動した人。
『モンパルナスの灯』(画家 モディリアーニの伝記映画)でファンになったの。主人公のモディリアーニをジェラール・フィリップという美男子が演じていていて、ジャンヌ役がアヌーク・エーメ。ふたりの美しさだけで語れるくらいの映画。この世の中には、なんて美しい人がいるのだろう!って思ったくらい。
『モンパルナスの灯』(画家 モディリアーニの伝記映画)でファンになったの。主人公のモディリアーニをジェラール・フィリップという美男子が演じていていて、ジャンヌ役がアヌーク・エーメ。ふたりの美しさだけで語れるくらいの映画。この世の中には、なんて美しい人がいるのだろう!って思ったくらい。
そういえば、アンヌの亡くなった夫役の人は歌手の人なんですよね?
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そうなの?
ピエール・バルー。「サラヴァ」の設立者ですよね。
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「サラヴァ」って、メイキングインタビューでもたくさん出てきた名前だけれども、何なの?
たしかレーベル会社です。「男と女」の資金不足を解消するために作ったレーベルなんですって。日本にもBunkamuraの横に「サラヴァ東京」という直営のお店がありましたよね。
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路子
私、知ってる!
佐藤芳明とmama!milkのアコーディオンを聴きに、りきちゃんと一緒にいった場所ね!
佐藤芳明とmama!milkのアコーディオンを聴きに、りきちゃんと一緒にいった場所ね!
そうです、そうです。
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路子
しかもアヌーク・エーメと結婚していたのね!
離婚して、日本人女性との間に子どもをもうけてると、ネットに書いてある。
離婚して、日本人女性との間に子どもをもうけてると、ネットに書いてある。
たしか「サラヴァ東京」のビルにあった「アツコバルー」というギャラリーのオーナーさんが、奥さんだったかと思います。
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この作品は、恋がはじまろうとする、本当にはじまりの良い時期の手前を描いてる。
まだ盛り上がってもいない時期ですよね。
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路子
そうそう。
「過去」というものが、すごく重要な要素なんでしょうね。
それぞれに過去があり、出会って、惹かれあっていくけれど、これ、3週間ぐらいの話なのよね?
「過去」というものが、すごく重要な要素なんでしょうね。
それぞれに過去があり、出会って、惹かれあっていくけれど、これ、3週間ぐらいの話なのよね?
そう言っていました。
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そうとうスピードが早い。
しかもその間、ほとんど会っていないんですよね。寄宿舎の子どもに会いに行く週末の時くらいでしか会ってない。
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だから3、4回くらい。最初から笑いの多いふたりだったね。
車の中でずっとニヤニヤしていましたよね。
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路子
出会った時の笑いは、高揚しているふたりの恋のはじまりを描いていたのかもしれないわね。
断片的で、セリフが少なかったですね。
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うん、少ない。
ふたりの間のセリフはほとんどない。だから、歌詞のある音楽で心情を描いているのね。
ふたりの間のセリフはほとんどない。だから、歌詞のある音楽で心情を描いているのね。
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音楽はフランシス・レイなのよね?
そうです。
エディット・ピアフの曲も何曲か作っているんですよね?
エディット・ピアフの曲も何曲か作っているんですよね?
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そうそう。
ホテルでの別れの時に流れ始める曲、良いですよね。歌詞もぴったりで。
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あのデュエット曲、とても良い。あの曲で踊りたくなっちゃった。
(「あらがえないもの Plus fort que nous」という曲でした)
何かのインタビューで見たのは、クロード・ルルーシュ監督は、映画を撮ってから、音楽を入れることはしないんですって。それをやってしまうと、映像の欠点や穴を埋めることになるし、音楽を添え物にしたくないって。だから音楽を先に作るみたいです。
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音楽もメインになっているもの。
指のシーンが印象的でした。
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みんなで食事をしている時に、ジャン・ルイがアンヌの椅子の背もたれに手を置いて、ちょっと触れ合っているのよね?
そうそう!
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あのシーン、良いわよね。
その後の車の中では、しっかりと手を握りますが…。
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触れられると、アンヌは、冷たい表情をするの。
そして、それまで聞きたくても聞けなかった奥さんのことをジャン・ルイに聞くと、奥さんが亡くなっていることを知る。でもジャン・ルイには恋人がいるのよね?
そして、それまで聞きたくても聞けなかった奥さんのことをジャン・ルイに聞くと、奥さんが亡くなっていることを知る。でもジャン・ルイには恋人がいるのよね?
ジャン・ルイの恋人のことなんて、すっかり忘れてました(笑)。
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恋人と話している時のジャン・ルイは、すでに気持ちは、アンヌの方にいってる。
恋人に対して怒らせるようなことを言っていたし、うまくいっていないような雰囲気はありましたよね。
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この程度の関係なら、別れるのも簡単だと思う。
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路子
アンヌから「ブラボー 愛してます」と書いてある電報を受け取った時の、独り言のシーンがあるでしょう?
車を走りらせながらのシーンですね。
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「よくあんな電報が打てたな しかもあんな美人が」なんて言っているけれど、そんなに軽い気持ちではないわよね? 美人だけではなく、もっと惹かれていたわよね?
そういうところは男っぽいですね。
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妙に想いを軽く感じたシーンだった。
ジャン・ルイは、真剣に付き合うことをしない、女遊びの多い感じが、そういうところに表れていますね。
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ジャン・ルイに抱かれながら、亡くなった旦那さんのことを思い出している時にアンヌがする苦悩の表情、すごく良かったです。微笑んだりもしないですもんね。
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うん。
キスをするのも躊躇ってる。
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冷めていく一方だものね。
だから、官能的なベッドシーンというわけではないんですよね。
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全然そうじゃない。肌は触れ合っているけれど、アンヌは孤独を感じている。ジャン・ルイだけが、求めている。よっぽど旦那さんのことが好きだったのね…。
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亡くなった旦那さんとの過去が蘇ることで、集中できなくて、というのが本当に切ない。今はダメでも、時間が経てばもう一回くっつくのだろうなと、匂わせてはいるのよね。
ドーヴィルからパリへ行く数時間、電車と車でそれぞれ同じように相手を想っているのも、すごくロマンティックなところ。
ドーヴィルからパリへ行く数時間、電車と車でそれぞれ同じように相手を想っているのも、すごくロマンティックなところ。
車で先にパリの駅に着いて、駅でアンヌが到着するのを待っているんですよね。
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そうそうそう。ジャン・ルイはモテる男よね。そうして欲しいというのを…。
分かっていますね。
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男の監督だから、それこそ男のロマンも描いているのだけれど、女がこうして欲しいというものをちゃんと描いてる。ラストのシーンは特にそう思った。切り抜きみたいな終わり方はどうしたんだろう?、とは思ったけれど(笑)。
たしかにそうですね。ちょっと不自然でした(笑)。
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路子
アンヌは電車の中で、ジャン・ルイとふたりで過ごした日々を思い浮かべているけれど、今後は過去にとらわれず、ジャン・ルイに向かい合っていけるようになっていくのかしらね。
映像の色の違いに、何か意味があるのかと思ってましたが…。
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私も!!
ふたりの現実をモノクロにして、過去はカラーにしている、と最初に思ってたの。でも見続けていくと、それも違ってくるし、謎だったの。でも特典映像のインタビューを観たら、室内の撮影はモノクロで、外の撮影は…。
ふたりの現実をモノクロにして、過去はカラーにしている、と最初に思ってたの。でも見続けていくと、それも違ってくるし、謎だったの。でも特典映像のインタビューを観たら、室内の撮影はモノクロで、外の撮影は…。
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カラー。
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登場人物を遠くから撮影しているシーンは…。
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周りの音がうるさいから。
周りの音がうるさいから。
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低予算だったから、そうなっていたんですね(笑)。
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路子
でも、そういうのが、すべてシーンの良さに繋がってる。
そうなんですよね。
監督が自分でカメラを持って撮影をしているからこそ、偶然撮れたシーンというのも、きっとあったんでしょうね。
監督が自分でカメラを持って撮影をしているからこそ、偶然撮れたシーンというのも、きっとあったんでしょうね。
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路子
映像にリアリティがある。監督が撮影期間は4週間と、言っていたけれど、作り物の感じがしないの。
リアリティを求めるために、カメラテストもしないと、言っていましたよね。
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路子
そうそう。だから、ふたりが出会い、新鮮な感じで惹かれあっていくところが描かれているから、素晴らしい作品になったのだと思う。
【『男と女 Ⅱ』 あらすじ】
『男と女』から20年後のおはなし。
映画のプロデューサーとして働くアンヌ(アヌーク・エーメ)は、女優として活躍する娘のフランソワーズ(エヴリーヌ・ブイックス)と共に、映画の撮影をしています。
ある時、フランソワーズは、顔を出した劇場の座席にジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)の姿を見つけたことを、アンヌに話し…。
『男と女』は、低予算で作られたからこその粗さがあり、そこが逆に際立ったからこその美しさがありましたけれど、『男と女Ⅱ』は色々なところにお金をかけて作っているし、全く色彩の違う作品になっていましたね。
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路子
てんこもり。殺人のニュースは関係あるのかな、と思っていたけれど、それをネタに推測で映画を作り、それを観た犯人が自首するというストーリー(笑)。
そんなので映画を作ったら訴えられますよね(笑)。
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車のシーンも長かったー。
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路子
モーターボートのシーンもね。全体的に娯楽映画の要素が多かったように思える。ふたりだけでもっと描いても良かったのに、入れ込みすぎて、ふたりが霞んでしまった部分はあるわね。
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路子
『男と女』の時のアヌーク・エーメは、古くささを感じなかったけれど、20年後は肩パットがガンガン入っていて、前回よりも古めかしさがあった。
もったいないですね。
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路子
まあ、当時の流行だものね。
『男と女』の時は流行の格好だったんですかね。
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路子
うん、多分。それがたまたま今と合致していたのだと思う。『男と女 Ⅱ』は80年代ぐらいだから、バブリーなイメージね。
『男と女 Ⅱ』に関しては、アンヌは亡くなった夫のことをだいぶ忘れているように感じました。
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路子
20年経っているもの。
今度は立場が逆転していましたね。ベッドシーンでのジャン・ルイは気まずそうでしたし、アンヌからの質問もごまかしているように見えました。
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それにしても、ジャン・ルイには、いつも相手がいるんですね。
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今回の女性は特にすごかったわね。砂漠での無理心中なんて、とっても辛そう…。なぜ砂漠で枯れるなんて、辛い方法を選んだのかしら。
きっと、そんなことも考えられないくらい、ジャン・ルイを他の人に取られたくなかったのかもしれませんね。それなら今すぐにでも…という気持ちだったのかも。
でも、みんな巻き込まれて、いい迷惑。
でも、みんな巻き込まれて、いい迷惑。
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本当よ。なのに無理心中を図った女性は、反省の色なし。死につもりで水まで捨てておいて、それなのにほんとうに死にそうになったら、ちゃんとウィンド・ウォッシャーの水も飲んでるし、最後にはちゃっかり他に恋人まで作ってる。
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「そこにいちいち説明を求めないで、人生はこんなもんでしょう?」という監督の声が、随所に聞こえてくるような気がしてしまったの。でも、そうなのだけれど…と、いうところを私は観たい。
そこが映画の醍醐味ですからね。
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そう。実人生でいっぱい味わっていないような部分を味わいたいの。
その実人生から離れるために、観るようなものですもんね。
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ハッピーエンドのその後を知りたいと、私はよく言っているけれど、ちゃんと「その後」は描いていた。でも、実際に描かれてしまうと、ハッピーエンドで一度完結している物語は、色あせて、魅力が失われてしまう感じがした。
『男と女 Ⅱ』を観たことで、『男と女』が改めて名作だと思いますね。
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【男と女 人生最良の日々 あらすじ】
徐々に過去の記憶を失いつつあるジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)。
しかし、かつて愛した女性アンヌ(アヌーク・エーメ)のことだけは、はっきりと覚えています。
ジャン・ルイの息子アントワーヌ(アントワーヌ・シレ)は、父親とアンヌを再会させるため、アンヌを訪ね、ジャン・ルイと再び会ってくれるようお願いし、再びふたりは会うことになりましたが…。
『男と女Ⅱ』の話が、ないものになっているストーリーでした。
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それを観ていなくてもOKだったね。
むしろ、今まで一度も会っていない設定になっていましたし、セルフオマージュと言っていいくらいの内容でしたね。
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シーンの3分の2くらいは『男と女』のシーンを使っていたもの。
かつて『男と女』を観た人にとっては、とても懐かしい気持ちになると思う。
かつて『男と女』を観た人にとっては、とても懐かしい気持ちになると思う。
夢と現が曖昧でしたね。
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最後まで、どこからどこまでが現実だったかというのは描かれてはいなかった。
アンヌとジャン・ルイが庭でしている会話は、現実ですか?
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同じようなシーンでも、会話がちょっと違ったりもしたでしょう?
だから、アンヌは何回も彼を訪ねているのだと思う。
だから、アンヌは何回も彼を訪ねているのだと思う。
ジャン・ルイも記憶がまちまちだから、同じやりとりをしている可能性もありますもんね。
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記憶が戻ったり、どこかにいってしまったりしながら、彼の話にずっと付き合っているということかしらね。
初めて再会をした時、記憶がまちまちになってきているジャン・ルイを見て、アンヌはどういう風に思ったんですかね。
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目の前にアンヌがいるとは思っていないし、かろうじて、自分(アンヌ)のことを覚えていて、話してはいるけれど、自分のことを覚えていなければ、ショックよね。
アンヌにとっては、ジャン・ルイは最愛の人だったのかしら。ストーリー的には、そんなに長く付き合ったようには見えなかったけれど…。
アンヌにとっては、ジャン・ルイは最愛の人だったのかしら。ストーリー的には、そんなに長く付き合ったようには見えなかったけれど…。
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ノルマンディのホテルへ一緒に行くシーンは、現実の話?
実は一回も一緒に出かけていないような気もするんですよね。
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そうなのよ。
そうなると、そのシーンもジャン・ルイの夢だったんじゃないかって思いますよね。
でも、自分の記憶があやふやだっていうところまで、夢として見るんですか?
でも、自分の記憶があやふやだっていうところまで、夢として見るんですか?
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そういうことになるのよね。
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車のシーン出てこないと思っていたのに…。
最後の最後で出て来ちゃいましたね(笑)。
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長いシーンでしたけど、あのシーンは、「男と女」のラストシーンで、ジャン・ルイがパリへ向かっているところを表現していたんですかね?
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描かれていたかったそのシーンを再現していたのかもしれない。やっぱり車のシーンが出て来たから、ある意味ホッとしてしまったの(笑)。
期待を裏切らない(笑)。
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ふたりの別れの原因は、「私たち完璧すぎたから」と、アンヌが冒頭で言っていたけれど、後々、ジャン・ルイの女ったらしが原因だと分かる。
結構普通の理由でしたね。
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たしかに。
『男と女』のラストシーンのあとは、アンヌがジャン・ルイを束縛し、ジャン・ルイの浮気癖が治らなかったから別れる。その後、アンヌは優しい人と出会い、結婚をしているという設定ね。
『男と女』のラストシーンのあとは、アンヌがジャン・ルイを束縛し、ジャン・ルイの浮気癖が治らなかったから別れる。その後、アンヌは優しい人と出会い、結婚をしているという設定ね。
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『男と女』では、「恋の芽生え」を描いているけれど、『男と女 人生最良の日々』は、奇跡の愛、永遠の愛、と言われている割には、男女の恋愛という感じではないような気がしたの。
記憶が障害を持つようになっても、思い出すのはアンヌのことだけ、本人でも分からなかったけれど、一番好きだった女性は彼女だった、というのを表しているのは分かる。でも、アンヌは、会ってみれば想い起こすこともあるけれど、ずっと想っていたわけでもなさそうだった。ジャン・ルイの息子が訪ねてこなければ、気にもしていなかったと思う。
記憶が障害を持つようになっても、思い出すのはアンヌのことだけ、本人でも分からなかったけれど、一番好きだった女性は彼女だった、というのを表しているのは分かる。でも、アンヌは、会ってみれば想い起こすこともあるけれど、ずっと想っていたわけでもなさそうだった。ジャン・ルイの息子が訪ねてこなければ、気にもしていなかったと思う。
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ジャン・ルイの娘役で、モニカ・ベルッチが出演していたけれど、彼女も年齢を重ねたわね。
最後のクレジットを見るまで、気付かなかったです。
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娘にしては若いから、最近の若いパートナーとの子どもだという設定なのかしらね。
そういえば、大人になった子どもたちは、『男と女』の時に出演していた子どもなんですって。
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遠くから映されたアヌーク・エーメのシーンを見ると、昔の頃の面影を感じますね。とても綺麗でした。逆に、トランティニャンはもうヨボヨボ。
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セリフをちゃんと言えるぐらい、しっかりはしていたけれど…。
表情もまだしっかりとしていましたよね。
2年ぐらいしか変わらないのに、ミヒャエル・ハネケ監督の『ハッピーエンド』の時よりも、さらに加齢を感じました。
2年ぐらいしか変わらないのに、ミヒャエル・ハネケ監督の『ハッピーエンド』の時よりも、さらに加齢を感じました。
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アヌーク・エーメも歩くの大変そうだった。
もうガニ股でゆっくり歩いているように見えましたもんね。綺麗だけれども、どっぷりした体格で、髪がフサフサ。
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ドヌーヴと同じね。
ジャン・ルイが褒めていた髪をかきあげる仕草も、『男と女』の頃から変わっていなかったですね。
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ちょっと意識をし過ぎている気はしたけれど(笑)。
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トランティニャンは今何歳?
89歳ですって。クロード・ルルーシュ監督が82歳。アヌーク・エーメは87歳、全然見えないですね。そりゃ脅威だわ。あっぱれ。
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杖なしでも歩き、映画に出演しているのが奇跡なくらい!
~今回の映画~
『男と女』 1966年5月 フランス
監督:クロード・ルルーシュ
出演:アヌーク・エーメ/ジャン=ルイ・トランティニャン/ピエール・バルー/ヴァレリー・ラグランジェ
『男と女』 1986年5月 フランス
監督:クロード・ルルーシュ
出演:アヌーク・エーメ/ジャン=ルイ・トランティニャン/リシャール・ベリ/エヴリーヌ・ブイックス/ニコール・ガルシア/フィリップ・ルロワ
『男と女 人生最良の日々』 2019年5月 フランス
監督:クロード・ルルーシュ
出演:アヌーク・エーメ/ジャン=ルイ・トランティニャン/モニカ・ベルッチ/スアド・アミドウ/アントワーヌ・シレ/マリアンヌ・ドニクール