MODEな軽井沢 特別な物語

◆モードなダウン◆2009.12.21

2020/04/22

以前に、このコラムで「とっても暖かで軽くてスタイリッシュでエレガントなダウンコート」が欲しい、と書きましたら、知人から
「あなたはダウンを否定していたのに、贈答用ハムみたいだとか、エロティシズム消滅衣服だとか、『軽井沢夫人』のなかでも名言しているのに、宗旨替えしたの?!」
といったメールが届きました。
そうなのです。
好みは変わるものですから、変わったのです。
けれど、「スタイリッシュでエレガント」という思想的キーワードは生きているわけですから。

また、別の数名の知人から、
「こんなダウンならイメージでは……」
というメールもいただきました。
お馴染みの有名ブランドのものがたくさんで、しかもすべて6桁なので、そういった意味でもふらふらに。

そのなかに、渡辺淳弥のものがありました。
そういえばヴォーグ・ニッポン12月号にインタビューがあったな、とひっぱり出してみました。

2009年秋冬コレクションのテーマが「ダウン」。
とってもモードなすばらしい作品です。

そして、先日、新宿伊勢丹を徘徊した際に、試着しようとしたのです。
けれど、そのすばらしくモードな作品を目の当たりにすると、試着さえもがはばかられると言いましょうか、なんともいえないオーラがあるのです。

つまり、このモードなダウンが似合うのは、めちゃくちゃ頭部が小さくて、首がほっそりと長くて、上半身の厚みが(胸も含めて)薄い、そういうスタイルを持ち合わせたひとなのです。

 

さて、ヴォーグで、デザイナー渡辺淳弥は「なぜダウンだったのでしょう?」という質問に、「特別な理由はなく、なんとなく」と答えています。
ただ、「ダウンは、何かずっと引っかかっていたテーマ」で、そしてダウンと取り組むことは、「いわゆるパターンのようなものとも一切関係がなく、あるのは鳥の羽と空気だけですから。皆で羽根まみれになりながら、いつもとまったく違う物作りをしてとても面白い作業でした」と言っています。

たしかに、ものづくりの楽しさがとっても感じられるデザインでした。

(参)「ヴォーグ・ニッポン12月号」

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