MODEな軽井沢 特別な物語

◆マレーネ・ディートリッヒの美意識◆2009.9.28

2020/04/22

「マレーネ・ディートリッヒのABC」を久しぶりに読みました。
15年以上前に購入、もう何度目かだけど、あいかわらず新鮮です。

私が好きな女優のひとり、マレーネ・ディートリッヒが、友人から料理、ファッション、生活のことなど、あらゆる分野について、自由に書き綴ったエッセイ。
A to Z の形式をとっているので、ちょっとした事典みたいなかんじになっています。
↓ (私がもっているのは、89年刊行版ですが、新装版が出ているようです)

今回はそのなかからファッションについて述べられたところを。
「dress(on a budget)」ドレス(安あがりに)
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基本のルールはこうです。つまり、最新の流行を追わないこと――やがてそれが、おかしく見えるようになるでしょう。
グリーンや赤など、派手な色のドレスは買わないこと。
ワードローブは狭いのだから、何度でも着られるものだけにしぼりたいものです。
そこで、おすすめしたいのは黒、ネイヴィーブルー、グレイ。
セパレーツはよしましょう。
一着分の値段で五着買える、なんていう店員の言葉は信用しないこと。
見映えがよくても、生地が安ものなら手を出さない。

高いものはちょっと……なんていわないで、それならその分、お金をためればいい。
せいぜいグレイの(ネイヴィーブルーは光ります)スーツのいいものを一着と黒のドレスを二着、黒のウールのスカート一枚、黒とグレイのセーターを一枚ずつもっていれば、夏まで間に合う。
夏にはさっぱりしたコットン・ドレスを着ればいいのですから。
助言をもうひとつ。いつもいつも洗濯屋に出さないように。
汚れだけをスポット・クリーニングし、自分でアイロンしなさい。
そのほうが長もちします。
そして、良品の黒スーツを買うための貯金中のデートには、とりあえず黒いセーターとスカートで。
胸を過度に目立たせて装いの優雅さを損なわないかぎり、それでじゅうぶん。
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殿方向けにもあります。
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スーツには黒、ミドナイト・ブルー、グレイ。
シャツにはペール・ブルー、ピンク、白。
ネクタイには黒、ダーク・ブルー。
靴には黒。
茶色のラフなスーツを着て茶色の黒い底の靴をはいても紳士らしく見えるのはイギリス人だけです。ほかの人はまねてはいけません。
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夏から秋へと季節が移り変わり、クローゼットを眺めて、「いったい去年は何を着ていたのだろう! こんなに服があるのに、いま着たい服が一着もないなんて! 信じられない!」と両頬をおさえることが多い今日この頃。

新しく買い足す服は、マレーネ・ディートリッヒの意見に従ってみてもよいかもしれません。

色は黒、ネイヴィー・ブルー、グレイ。
品質のよいものだけを買う。
……。

わりとシンプルです。
そして、イメージしてみると、そこに、エレガンスがあるように思えます。

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