◆危険なまでに美しいスキャパレリ◆2009.4.27
2020/04/22
「ショッキングピンクを生んだ女」、スキャパレリの名は、ガブリエル・シャネルの生涯を追う中で、知りました。
第二次大戦前、1930年代後半、「イタリアからやってきたエルザ・スキャパレリという名のデザイナーが、デザイナー自身の美しさとスキャンダラスな服によって一躍時の人になった。シャネルは初めて終われる立場に立たされた」といったかんじで、知ったのです。
スキャパレリの基本方針は「秩序や価値などの破壊、逆転を行う」こと。
つまり、「魅惑するためにはショックを、眩惑するためには驚愕を与える」ということでした。
はじめて発表した香水の名が「ショッキング!」。
スキャパレリといえば、「ショッキングピンク」の色で有名ですが、この香水の名は、ピンクの色彩と合わせて、スキャパレリの強烈な個性を物語っています。
以前、紹介したことのある「ポール・ポワレ」に見出されてモードの世界に入り、二十年ちょっとで引退したスキャパレリ。
短い活動期間ではありましたが、今でも彼女に魅了されている人は少なくはありません。
それはなぜか。
アンドレ・ブルトンは『ナジャ』の中で書いています。
「美しさとは、危険なまでに激しく込み上げてくるもの。そうでなければ美ではない」
スキャパレリには、この種類の美があったのです。
「メモワール・ドゥ・ラ・モード スキャパレリ」を参考にしましたが、ブルトンの定義といい、スキャパレリの言葉といい、収穫の多い本でした。
「魅惑するためにはショックを、眩惑するためには驚愕を!」
「美しさとは、危険なまでに激しく込み上げてくるもの。そうでなければ美ではない」
……。
ここしばらく、とらわれそうです。
参:「メモワール・ドゥ・ラ・モード スキャパレリ」 フランソワ・ボド 光琳社出版