MODEな軽井沢 特別な物語

◆アルマーニ、品格とセクシー◆2009.2.2

2020/04/22

ジョルジオ・アルマーニ社の設立は1975年。
ジョルジオ・アルマーニは41歳になっていました。
当時を振り返って、

「普通の人ならとうにキャリアを積んでいる年齢です。それからの私は夢中で働き、仕事以外の時間を自分に許さないことにしました」

と言っています。

「ファッションは、その時代のライフスタイルに合ったもの、現代のように女性が男性と肩を並べて働く時代には、オフィスや街で着られる服が基本です。
デザイナーの自己満足でしかない奇をてらった服は、ナンセンス。
年2回新しいコレクションを発表するからといって、半年前の自分の創作を否定するようなことはしたくないですね」

これも、同じ頃のアルマーニの言葉です。
ついでにもう一つ。

「ショッキングな服は、話題性はあってもすぐあきられる。それでなくてさえ汚職や凶悪犯罪が頻発する現代社会では、着るもののような日常的なことは、平穏で寛げるものにしたいと思いませんか」

さて。

アルマーニ、を自分自身にひきつけて考えるとき、ぱっと頭に思い浮かぶことが二つあります。
一つは、ある男性との会話。
かなり前……(もう十年は経っているかな)の話ですが、彼(当時50歳くらい)はこう言いました。

「これ見よがしなセクシードレスを着れば、たいていの女は、それなりに見えるものだ。
けれど、僕はアルマーニのスーツを着こなしている女がホンモノだと思うよ。
しなやかで抑制のきいたあのスーツ、それがパンツスーツであっても、色気がある。
けれど誰にでも着こなせるわけではない。
あれをセクシーに着こなすには、品格が必要だからね」

私は、彼の美意識に共鳴していたので、このとき、
「いつか、きっと、アルマーニでセクシー!」
と決意したことをよく憶えています。

セクシーといえば、夜のカクテルドレスやイヴィニング。
これらについて、アルマーニは、
「私の夜の服は、思い切ってファンタジーの世界。
仕事ができる女性ほどいくつもの顔を持ち、生活をたのしんでいる。
彼女たちにとってモダンでクールな夜の服は必需品です」
と言います。

(ヴォーグニッポン 3月号より)

アルマーニから連想するもう一つは、香水「GIO ジオ」です。

これまた、ずいぶん前(15年くらい?)の話です。

それまで私は香水というものを、ほとんどつけたことがありませんでした。

けれど、二十代も半ばになり、
「そろそろ大人の女っぽく、香水をつけよう!」
と衝動的に思い立ち、自分に合った香りを見つけるべく、
デパートの、あの、「香水の香り」というより、「香水の洪水」コーナーへゆき、
あらゆる香水を嗅ぎまくり、ふらふらになりながら、
「今、一番好きな香り」として、選んだのがジオだったのです。

しばらくはジオ一本で通しました。
「おつけになっている香水は何ですか? すごくいいですね」
と言われることがとても多くて、
「アルマーニのジオでーす」
と言うと、それをメモする人までいました。

それから、ずいぶん時が経って、今は別のものを愛用していますが、ちょっと気になってネットで調べてみました。
ジオ。

「ジオとはアルマーニのニックネーム。
1992年発売。
フルーティフローラルの格調高い香りで、
……芳醇な果実の香りが溶け合い、ラストでサンダルウッドやバニラが深い余韻を残します。
ナイトシーンを彩る、ロマンティックな趣の香水です」
なるほどなるほど。いいじゃない。

この説明言葉に、ふたたびジオによろめいて、購入する気になって、いくつかのサイトを見てみたけれど、品切れ状態のようです。
(購入するとはいっても、デパートの香水売り場で、購入しようとは思っていましたよ。アルマーニの香水とかシャネルのルージュとかは、ネットでは買わないのです)

ところで、アルマーニ自身を撮った、ドキュメンタリー映画があるのをご存知でしょうか?
何年か前に観たけれど、とっても面白かった。

彼の美学、スタイル、そんなのがいっぱいに溢れていて、成功した一人の男を見る、という点において、興味深い内容でした。

おすすめします。

        参:「世界のスターデザイナー」(堀江瑠璃子著)

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