MODEな軽井沢 特別な物語

ディオールのグレー、パープル、デューン◆2008.11.24

2020/04/22

ガブリエル・シャネルにとりつかれてしまっているので、私の頭のなかでは、
クリスチャン・ディオール=「シャネル、70歳の奇跡のカムバック」のきっかけを与えたデザイナー。
となります。

細くしめつけられたウエスト、花が咲いたようなボリュームのあるスカート。シャネルが苦労して抹殺した「女らしさ」を再現したディオールのニュー・ルック。これが我慢できなくて、引退生活を送っていたシャネルはモード界に復帰したのでした。
そのディオールも、シャネルよりも14年早い1957年に、心臓麻痺で亡くなりました。52歳の若さでした。

ちょっと前だけれど、女性誌「プレシャス 8月号」に興味深い記事がありました。
「トップブランド速報」という、いわゆる今シーズンのディオールのあれこれの記事広告になるわけですが、そこに添えられた記事がよかった。
「ムッシュ・ディオールが遺したおしゃれの名言」が紹介されていたのです。

流行色ということもあるのでしょうが、パープルとグレーになぜか目が行くことが多い今日この頃。
この2色に関するムッシュ・ディオールの言葉に耳を傾けてみましょう。

「Purple パープル。
キング・オブ・カラーともいうべきパープル。色白の女性や、よく日焼けした女性にも似合う色だと思います」
 
……無難な言葉だと思いますか?
私は、この言葉に「やっぱり!」と膝をうちたくなった。
というのは、かねてから「日本人でパープルが似合う人は稀だ」と思っていたからです。
ディオールの言葉ですっきりしました。
やはり白くも、そしてすっごく日に焼けた色でもない日本人の肌の色に、パープルは似合わないのです。もちろん思いきり私見です。

次、グレーにまいりましょう。
グレーはムッシュ・ディオールが繰り返し使った最愛の色なのだそうです。

「Grey グレー。
グレーは最も扱いやすく、エレガントなニュートラルカラーです。フランネルでも、ツイードでも、ウールでも素敵。そして黒が似合わない人でもダークグレーなら着こなせます」

グレーはニュートラルカラー。
ここも、やはり、と膝うち場面です。
グレーは、着るひとを選ばないのかもしれません。黒に比べて、優しいのです。黒は、主張がない人を拒絶するので。街中で、黒に拒絶されて、喪に服しているとしか見えない人々を、よく見かけます。(自分は棚上げです。念のため)
だからこそ、逆に、グレーを着た人々は、よっぽど美しいか品があるかしないと、みんな同じように見えてしまう。黒よりもイジワルな色なのかもしれません。

それにしても、興味深い記事をちょこっと入れてくれたプレシャス、今後も注目しよう、と思っています。
高級ブランドを扱うならば、もっともっとこの種の記事を増やして欲しい。その種のクオリティを求めている読者は、たしかにいるのです。

我が家にあるディオールといえば、愛用の香水「デューン」。これは砂丘という名のフランス語。濃く、甘く、とろとろと香ります。

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